電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

「男たちの挽歌」のポスター

2006-05-23 20:38:13 | Weblog
昨日の「11PM」に引き続き、『男たちの挽歌』の話になりますが、日本版ポスターのデザインを見て、何か気がつきませんか?3人の俳優とも、すごくきまってる写真でしょう。これ、実は日本ヘラルド映画がわざわざ香港でポスター用の写真として特写したものなんですよ。でも、なぜに?
香港って宣伝用の写真をもらっても、ポジフイルムで撮影していなくて、ネガフイルムで撮影してたりとかで、ポスターにするにしてもあまり使えそうな素材がなかったりしてました。きっと宣伝も「こりゃだめだ」と思って香港サイドに撮影リクエストしたのでしょうね。香港映画ってジャッキー・チェンの作品とかでも、よく特写の写真をポスターに使っているんですよ。
私の手元には、ポスターに使われなかったユンファ別顔ポジがあります。昔、横浜で「ツイ・ハーク映画祭」を手がけたときに、パンフレット用で借りた写真がなぜかそのままになって手元に残っていたのでした。(つまり返却し忘れていた)ちなみに、下の香港の風景も、権利フリーの写真をはめ込んでいるのです。なので、このポスターは、宣伝担当が日本で宣伝するためのコンセプトからイメージして作った、世界で唯一の『男たちの挽歌』のポスターなのです。でも、今ではそんな豪華なこと、できませんね。

11PM

2006-05-23 00:19:03 | Weblog
映画の宣伝でいろいろお世話になった番組に、日本テレビの「11PM」がありました。えっちな内容とかもあったので、子供の頃は親の目を盗んで、ふすまの隙間からこっそり見てたりした時とかもありましたが、よく映画の紹介とかもやっておりました。『燃えよドラゴン』もこの番組の紹介でオハラとの対決シーンの映像が流れ、初めて見たクンフー映画の映像に興奮した記憶があります。
どこの映画会社もいろんな企画などをこの番組に持ち込んだり、来日スターを生出演させたりしていましたが、香港映画ではやはり『男たちの挽歌』の特番が印象に残っています。当時、配給をした日本ヘラルド映画は、この作品にすごく力を入れていて、なんとテレビクルーを香港に連れて行って、チョウ・ユンファやティ・ロンの取材をしたのでした。残念ながら、東京音楽祭同様、オンタイムで見たために、ビデオで録画していなかったことを、今では悔やまれています。
数年前にヘラルド映画で仕事をした時に、この作品の宣伝担当をした人間と話す機会があったのですが、特番なのにレスリーだけが出演しなかったのはなぜか、という話になり、その理由が、「取材の場所がティ・ロンの家だったんだけど、レスリーがティ・ロンのことがこわくてこなかったんだ。」と言っておりました。それがほんとの理由かどうかはわかりませんが、ティ・ロンは香港映画界においては大先輩なわけですから、私も本人に会うとなったら、ちょっとビビるかもしれませんね。
ちなみにこの作品は、1987年4月にGW作品として、東京は渋谷東急系で公開されましたが、残念ながらさほどヒットはしませんでした。映画は公開1週目の土日月の数字で、いつまで公開するかを決められてしまうのですが、確か4週間で終わったと思います。しかしながら、映画は普通、2週目は1週目の7割ぐらいの数字で、週が進むごとに数字が落ちていくのですが、『男たちの挽歌』は落ちないままに終わったそうです。きっと観た人たちの口コミなどがあったのでしょうね。今では誰もが知っているこの題名ですが、作品がブレイクしたのはビデオになってからで、この作品と翌々年の『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の日本公開が、香港映画のビデオのソフト化を加速させていったのでした。