電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

上海ブルースその2

2006-11-23 22:12:05 | Weblog
ツイ・ハーク監督が来日した時に、いちばん質問を受けていたことは、『上海ブルース』が日本の「君の名は」というすれ違いドラマで有名な作品によく似ている、ということでした。確かに最初、この作品を観た時はそう思うのですが、実際は、1930年代の有名な上海映画である『十字路』という作品からイメージした作品だということを、ツイ監督は語っておりました。
ところで皆さんは上海映画って観たことありますか?たぶん皆さんがそのイメージのものを観ているとすれば、マギー・チャンが実在した女優を演じた『ロアン・リンユイ』がまさにその時代を描いた作品であると言えるでしょう。
海外との貿易で栄えていた上海は、1930年代がもっとも華やかな時代で、たくさんの映画が作られていました。香港映画も『上海グランド』や『ゴッドギャンブラー3』等、その時代を背景にした作品が数多くありますが、繁栄の中に貧富の差が大きな時代だったのもこの時代でした。以前、東京の竹橋にフイルムセンターがあった時、「1930年代の上海映画特集」というプログラムが上映され、本物のロアン・リンユイ主演の作品等、何本か観に行きました。そこで描かれている内容はというと、貧しさのあまり農家から売られて都会に出てきた女性の話だったり、どろどろの恋愛話だったりと、今の中国映画とは比較にならない内容のものばかりでした。でも、何か惹かれる魅力をそれらの作品は持っているのです。
『上海ブルース』はそんな古き良き時代の雰囲気と、香港映画の特徴である笑いをうまくブレンドさせた作品であるといえるでしょう。



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2 コメント

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ご無沙汰してます (小旻)
2006-11-26 16:12:37
何時も楽しく読ませていただいてます^^
私もこの映画が好きで何回も見てます~
好きなシーンは偶然!?バースに落ちってそのまま舞台に上がり歌うシーンです~(何故かこの歌は標準語)それに徐克本人のカメオもありますし~今は大物!?が脇役だったし・・・書いたら又見たくなりました^^
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>上海 (FREEMAN)
2006-11-27 22:54:05
小旻さん、ご無沙汰でした。
この映画は、ほんとうに和むというか、音楽もいいし、ツイ・ハーク監督も(これはヒッチコックのように)出てるし、すごく懐かしい感じがしちゃいます。
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