電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

ジョニー・トー最新作1

2006-04-17 15:08:16 | Weblog
今年の香港電影金像奨もここ数年の賞の常連であるジョニー・トー監督の『黒社会』が賞をゲットしたが、彼は映画を作るにあたり、“商業映画と個人映画”という二つのスタンスをはっきり持って仕事をしている。商業映画を撮るときは、例えば『フルタイム・キラー』のようにアンディ・ラウと反町隆史の人気スターを起用して配給会社に莫大な利益を生む作品(ただし、中味の良し悪しは別)を割り切って作る。そして自身もそういった作品のヒットで得た利益で、今度は自分の好きな作品を作るのである。その代表的な作品が『ザ・ミッション非情の掟』と『PTU』のような、助演級スターをそろえたハードボイルドな通好みの作品である。世界中にも彼の個人映画のほうを好む通の映画ファンがたくさんいるが、特に2月に行なわれるベルリン映画祭は、21世紀に入ってから、毎年のようにジョニー・トー特集を組んでいる。どちらかというと男くさい作品ばかりだが、1980年代にジョン・ウー→リンゴ・ラムが築いた香港ノワールの流れを今なお続けていることがうれしいかぎりである。ちなみにこの3人は、1980年代にシネマシティという会社で映画を撮っていたわけだから、何かしらの関係はあるはず。
さて、香港マーケットで、メディアアジア社のブースにジョニー・トー最新作『放逐』のリーフレットが置かれてあった。メディアアジア社は『ブレーキング・ニュース(大事件)』で初めてジョニー・トーと組んで成功したわけだが、この『放逐』の主演が通好みである。アンソニー・ウォン、フランシス・ン、ロイ・チョン、ラム・シューと、あれ、この顔合わせはどこかで見たと思ったら、あの『ザ・ミッション』の続編的な作品なのであった。まだ、撮影も始まったばかりで、いつ完成するかもわからないが、前作のような面白さを今から期待するばかりである。


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3 コメント

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Unknown (もにかる)
2006-04-17 15:50:13
おー、心強いお仲間が増えました。開設おめでとうございます!

ジョニー・トーは一昨年フィルメックスで来日した時、これから『黒社会を撮る』というときで、1本2時間半×3のシリーズものと豪語していましたが、それが途中から『ミッション2』を思いついてしまったようで(爆)。でもそれはそれで楽しみです。その次ももう動き出しているみたいで、ついに劉青雲が復活するようなウワサ。今後ともどうぞヨロシク。
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初めまして (micchii)
2006-04-18 12:31:07
初めまして、もにかるさんのところから流れてきました。

カテゴリーまで作っているジョニー・トー監督の大ファンです。

映画秘宝には『放逐』について、「『鎗火』の続編ではないし、黒社会がメインの話でもない」という監督のコメントが載ってましたが、メンバーを見ると、どうしてもあの感じを期待してしまいますよね。

他にも『文雀』『跟蹤』『龍城殲霸』と控えていますし、今年もまだまだ楽しませてくれそうですよね!

これからもいろんな情報楽しみにしています。

お気に入りブログのリストにも追加させていただきました。
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ありがとうございます (FREEMAN)
2006-04-19 10:34:16
もにかるさん、わざわざありがとうございます。無理しない程度にいろいろ書いていきますのでよろしくです。

micchiiさんもありがとうございます。ジョニー・トー作品は通好みですが、業界内でも好きな人が多いので、適正な値段になればかならずピックアップされると思いますので、お楽しみに。でも、まずは『黒社会』を早く日本公開してほしいところですね。
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