電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

香港行きを断った夜その2

2006-07-17 12:06:01 | Weblog
昨日からの続きです。
ツイさんがなぜ私にアニメ版『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の仕事を頼もうとしたのか。ひとつには、日本とのやりとりに必要であったのと、香港映画界について詳しい人間であったから、ということが理由だったのではないか、と思われます。でも、こちらは“言葉の問題”が大きな障害でした。でも、ツイさんは一言「そんなの大丈夫だ」といい、そのうえ、「おまえは香港映画が好きなのだから、いろんな人と知り合うことができるぞ。」と言うのでした。それはそれでうれしいのですが、こちらとしてはもうひとつ、心配なことがありました。それは香港での生活とギャラという、根本的な問題です。それを聞いたら彼は、「住むところと食べることは問題ない。」と言うだけ。でも、ギャラの話はいっさいなし!「え、なにそれ。」と思っている私をはさんだ二人は、1時間あまり説得したのでした。
結局、この話はお断りしました。いくら好きなツイさんと仕事できても、3ヶ月だけの話であり、おまけにギャラも教えてくれないのは、ちょっと、ちょっと、って感じです。そして当時はK2エンタテインメントという会社の立ち上げスタッフとしてばたばたしていました。とりあえず社長に相談したのですが、「何、考えてんだ」の一言で終わり。
もしかすると、今とは違った人生を歩んでいたかも知れませんが、その後の香港映画界の状況を見ると、この選択は間違っていなかったかもしれません。

ちなみに、私はこの業界でいくつもの会社を渡り歩きましたが、恐いことに、所属した会社、また仕事で深く関わっていながら縁がなくなった会社は、ほとんどがなくなるか、他会社に吸収されているという、仕事運がいいのか悪いのかわかりませんが、そんな運を持っています。自分では「タイタニックのねずみ」と言っておりますが・・・・