
『ファイト・バック・トゥ・スクール 2』
(逃学威龍2 ゴードン・チャン監督 1992 香港)
新年度がはじまりましたね。新入生のみなさん、おめでとうございます。
在校生のみなさん、レッツ・ファイト・バック・トゥ・スクール!!
過去ログを見てたら、ちょうど一年前のいまごろ『ファイト・バック・トゥ・スクール』の感想記事を書いていました。春になると観たくなるんだなあ、このシリーズ。ということは、来年のいまごろは『ファイト・バック・トウ・スクール 3』のレビューをしてるのかしらん。
そんなことはどーでもよくて。
<あらすじ>
香港警察のSWATに所属する刑事・周星星(チャウ・シンチー)は交通課に降格となり悶々の日々。前作の男子高潜入捜査で恋人になった高校教師・何(チョン・マン)とはめでたく婚約したが、彼女の両親からはやく結婚しろとせまられ悶々の日々。そんな時、インターナショナルスクールをねらうテロの捜査がはじまった。一発逆転起死回生をねらい、星星は単身捜査をはじめる。もちろん高校生として潜入するのだ!どんなに無理があろうとも!相棒の曹達華(ン・マンタ)や警察署長(ディニー・イップ)、そしてきゃわゆい女子高生(アテナ・チュウ)との淡い恋もまきこんで、今日もハイスクールはおおさわぎさ。
これも、他のチャウ・シンチー作品同様、もう何度観たかわからないくらい。
何度観てもおもしろいんだよなあ。
前作では男子高潜入だったので、シンチーのまったく似合っていない制服姿が可愛かった(笑)。今回はお金持ちボンボンが通う共学のインターナショナルスクールということで、蝶ネクタイにベストにメガネのおぼっちゃまルックがまぶしいシンチー。
自分で入学の申し込みに行くシーンが笑える。明らかにオッチャンなのに「18才です」と堂々と言ってのけるシンチー。でも私学なので、「18才には見えませんね。まあお金さえ払ってくれればどーでもいいんですけどね」という対応であっさり入学できちゃう(笑)。
いろいろな教師とのやりとりや、ン・マンタとの掛け合い、前作の男子高から連れてきた子分たちとのおちゃらけぶりなどがさらにパワーアップしています。初日に学校を睨みながら仁王立ちしているシンチーたち、かっこいいんですよね~。
ちなみにロケ地となった学校はアダム・スミス・インターナショナル・スクール(漢基国際学校)。香港島の銅鑼湾からさらに地下鉄で西へ行ったところに実在します。
さらにちなみに、台湾で出版されたファンブック『我愛周星馳』(商周出版 ものすごくぶあつい)には、シンチー作品のロケ地巡りのための詳細なアクセスマップが載っています。香港でロケ地をまわる時には必携!
閑話休題。
マドンナ役のアテナ・チュウは『チャイニーズ・オデッセイ Part2 永遠の恋』でもシンチーと共演しています。ちっちゃくてコケティッシュな魅力のある女優さん。シンチーに片思いする姿がいかにも女子高生って感じでいいんですよね。
シンチーとアテナが柔道をする場面がすごく好き。柔道の組み手をしているはずが、いつのまにかチャチャチャを踊ってしまう・・・(笑)。こういうのがシンチーらしい無厘頭(ナンセンス)ギャグってことかなあ。
ところで、この作品はわたしにとってちょっと特別な意味をもっています。
2004年の年末、ちょうど『カンフーハッスル』が公開される直前に、CS(当時は視聴できた)で周星馳特集をやっていて、その時にこの作品も放送されまして。当時はシンチ-ファンでもなんでもなかったわたしが、これを観て心に「グッ」とひっかかるものがあったんです。
たとえばシンチーがアテナをおっかけて坂を必死でかけのぼるシーンや、アテナとキスしたあと酸欠になるシーン(笑)に、抱腹絶倒。『少林サッカー』の印象しかなかったわたしの中で、周星馳が急に特別な存在になった、そのきっかけがこの作品だったわけ。
このあと、お正月の間ずっと「『カンフーハッスル』観たい」熱がじわじわじわと高まり、ついに観た時には完璧に虜になっていました。あとは推して知るべし。
だから、この作品を観るとやっぱり胸がときめいてしまうんですよね~
本作では、アテナやチョン・マンとの三角関係がメインプロットになっているので、前作にくらべて潜入捜査自体がやや後景化してしまった感は否めませんが、ラストにはシンチー率いるSWATの大銃撃戦が展開。兵器オタクゴードン・チャン監督の面目躍如です。このシーンは徹底的に真面目に作ってあり、シンチーの真剣なアクションがかっこいい!
わたしの心の師、チャウ・シンチー。やっぱりクールなコメディアンだなーと思う。特に『ファイト・バック~』シリーズでは、威厳すら感じます。「星爺」と呼ばれるのも、納得。
天性のコメディアンとは、こういう人のことをいうんだな・・・と、いつも感動してしまうのです。もちろんそれは、卓越した演技力があったればこそ。ちょっとした動きの間合いとか、微妙なさじかげんが、あまりにすばらしくてためいきが出ます。シンチーの言語ギャグが理解できれば、きっともっと感動するんだろうなあ。
ところで、この作品が公開された1992年という年は、シンチーのフィルモグラフィーのなかでも重要な年だったのではないかな~と思います。本作以外にも6本の主演映画が公開され、ことごとく大ヒット。
ただヒットしただけではありません。『ハッピーブラザー』が91年の『ファイト・バック・トゥ・スクール』の興行成績(=香港歴代1位)を抜き、さらに『審死官』(日本未公開)が『ハッピーブラザー』の興行成績を抜くという、ものすごいことになっていました。
『ロイヤル・トランプ 1・2』や『キング・オブ・カンフー』などこの年の作品は日本でもソフト化されています。これからシンチーを観ていくという方は、92年に注目して観てみるのもおもしろいのではないでしょうか。
『審死官』の日本発売熱烈希望!
(逃学威龍2 ゴードン・チャン監督 1992 香港)
新年度がはじまりましたね。新入生のみなさん、おめでとうございます。
在校生のみなさん、レッツ・ファイト・バック・トゥ・スクール!!
過去ログを見てたら、ちょうど一年前のいまごろ『ファイト・バック・トゥ・スクール』の感想記事を書いていました。春になると観たくなるんだなあ、このシリーズ。ということは、来年のいまごろは『ファイト・バック・トウ・スクール 3』のレビューをしてるのかしらん。
そんなことはどーでもよくて。
<あらすじ>
香港警察のSWATに所属する刑事・周星星(チャウ・シンチー)は交通課に降格となり悶々の日々。前作の男子高潜入捜査で恋人になった高校教師・何(チョン・マン)とはめでたく婚約したが、彼女の両親からはやく結婚しろとせまられ悶々の日々。そんな時、インターナショナルスクールをねらうテロの捜査がはじまった。一発逆転起死回生をねらい、星星は単身捜査をはじめる。もちろん高校生として潜入するのだ!どんなに無理があろうとも!相棒の曹達華(ン・マンタ)や警察署長(ディニー・イップ)、そしてきゃわゆい女子高生(アテナ・チュウ)との淡い恋もまきこんで、今日もハイスクールはおおさわぎさ。
これも、他のチャウ・シンチー作品同様、もう何度観たかわからないくらい。
何度観てもおもしろいんだよなあ。
前作では男子高潜入だったので、シンチーのまったく似合っていない制服姿が可愛かった(笑)。今回はお金持ちボンボンが通う共学のインターナショナルスクールということで、蝶ネクタイにベストにメガネのおぼっちゃまルックがまぶしいシンチー。
自分で入学の申し込みに行くシーンが笑える。明らかにオッチャンなのに「18才です」と堂々と言ってのけるシンチー。でも私学なので、「18才には見えませんね。まあお金さえ払ってくれればどーでもいいんですけどね」という対応であっさり入学できちゃう(笑)。
いろいろな教師とのやりとりや、ン・マンタとの掛け合い、前作の男子高から連れてきた子分たちとのおちゃらけぶりなどがさらにパワーアップしています。初日に学校を睨みながら仁王立ちしているシンチーたち、かっこいいんですよね~。
ちなみにロケ地となった学校はアダム・スミス・インターナショナル・スクール(漢基国際学校)。香港島の銅鑼湾からさらに地下鉄で西へ行ったところに実在します。
さらにちなみに、台湾で出版されたファンブック『我愛周星馳』(商周出版 ものすごくぶあつい)には、シンチー作品のロケ地巡りのための詳細なアクセスマップが載っています。香港でロケ地をまわる時には必携!
閑話休題。
マドンナ役のアテナ・チュウは『チャイニーズ・オデッセイ Part2 永遠の恋』でもシンチーと共演しています。ちっちゃくてコケティッシュな魅力のある女優さん。シンチーに片思いする姿がいかにも女子高生って感じでいいんですよね。
シンチーとアテナが柔道をする場面がすごく好き。柔道の組み手をしているはずが、いつのまにかチャチャチャを踊ってしまう・・・(笑)。こういうのがシンチーらしい無厘頭(ナンセンス)ギャグってことかなあ。
ところで、この作品はわたしにとってちょっと特別な意味をもっています。
2004年の年末、ちょうど『カンフーハッスル』が公開される直前に、CS(当時は視聴できた)で周星馳特集をやっていて、その時にこの作品も放送されまして。当時はシンチ-ファンでもなんでもなかったわたしが、これを観て心に「グッ」とひっかかるものがあったんです。
たとえばシンチーがアテナをおっかけて坂を必死でかけのぼるシーンや、アテナとキスしたあと酸欠になるシーン(笑)に、抱腹絶倒。『少林サッカー』の印象しかなかったわたしの中で、周星馳が急に特別な存在になった、そのきっかけがこの作品だったわけ。
このあと、お正月の間ずっと「『カンフーハッスル』観たい」熱がじわじわじわと高まり、ついに観た時には完璧に虜になっていました。あとは推して知るべし。
だから、この作品を観るとやっぱり胸がときめいてしまうんですよね~
本作では、アテナやチョン・マンとの三角関係がメインプロットになっているので、前作にくらべて潜入捜査自体がやや後景化してしまった感は否めませんが、ラストにはシンチー率いるSWATの大銃撃戦が展開。兵器オタクゴードン・チャン監督の面目躍如です。このシーンは徹底的に真面目に作ってあり、シンチーの真剣なアクションがかっこいい!
わたしの心の師、チャウ・シンチー。やっぱりクールなコメディアンだなーと思う。特に『ファイト・バック~』シリーズでは、威厳すら感じます。「星爺」と呼ばれるのも、納得。
天性のコメディアンとは、こういう人のことをいうんだな・・・と、いつも感動してしまうのです。もちろんそれは、卓越した演技力があったればこそ。ちょっとした動きの間合いとか、微妙なさじかげんが、あまりにすばらしくてためいきが出ます。シンチーの言語ギャグが理解できれば、きっともっと感動するんだろうなあ。
ところで、この作品が公開された1992年という年は、シンチーのフィルモグラフィーのなかでも重要な年だったのではないかな~と思います。本作以外にも6本の主演映画が公開され、ことごとく大ヒット。
ただヒットしただけではありません。『ハッピーブラザー』が91年の『ファイト・バック・トゥ・スクール』の興行成績(=香港歴代1位)を抜き、さらに『審死官』(日本未公開)が『ハッピーブラザー』の興行成績を抜くという、ものすごいことになっていました。
『ロイヤル・トランプ 1・2』や『キング・オブ・カンフー』などこの年の作品は日本でもソフト化されています。これからシンチーを観ていくという方は、92年に注目して観てみるのもおもしろいのではないでしょうか。
『審死官』の日本発売熱烈希望!
ふと、見たくなる作品もこの頃のものが多いかも。
私もなんか見てみよっと