とんねるずイズム「男男-2」というタイトルで以前アップした記事を、改題・加筆修正して再掲します。
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最近、バディもの、あるいはあたらしい用語である「ブロマンス」ものへの関心が高まっています。日本でも、男性ふたりのコンビを主人公にした映画やドラマが、ここ2、3年たてつづけにつくられています。
歴史的に見て日本では、映画よりドラマのバディものの . . . 本文を読む
『ミルク』
(Milk ガス・ヴァン・サント監督 アメリカ 2008)
1970年。40才になったハーヴェイ・ミルクは、若い恋人スコットと共に新天地サンフランシスコへ旅立つ。8年間にわたる怒濤の政治家人生がそこで彼を待っていることなど、知りもせずに・・・
もともとアート志向が強く、とりわけ最近はハリウッドと距離をおいて実験的な作品を撮ってきたガス・ヴァン・サントが、伝記映画という古典的な . . . 本文を読む
『フランケンシュタイン』
(Frankenstein ジェームズ・ホエール監督 1931 アメリカ)
『カリガリ博士』の感想を書きながら、思い出していたのが、『フランケンシュタイン』です。1931年版のほうね。ケネス・ブラナー版じゃなくて。
若き科学者フランケンシュタイン(コリン・クライブ)は、うるわしきエリザベス(メエ・クラーク)と婚約し、前途有望のはずだった。が、彼は死体の部位をあつめ . . . 本文を読む
『カリガリ博士』
(Das Cabinet des Dr. Caligari/The Cabinet of Dr. Caligari ロベルト・ヴィーネ監督 1919 ドイツ)
いわずとしれた、怪奇幻想ホラー映画の原点。すべてはここからはじまった。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「アザーサイド」(アルバム『カリフォルニケーション』収録)のミュージックビデオは、『カリガリ博士』にインスパイ . . . 本文を読む
『何が映画を走らせるのか?』(山田宏一著 草思社 2005)
映画に魅入られている。その魔力にとりつかれた人々である。彼らの物語=新しい映画史を試みるのが、『何が映画を走らせるのか?』という本である------
山田宏一氏の文体をまねて、書いてみたりなんかして。
主語をわざと書かずにあとまわしにして読む者の興味をひっぱる、その特徴ある文章作法は、まるで、観客をじらして最後までドキドキさせる、 . . . 本文を読む
『フィラデルフィア物語』
(The Philadelphia Story ジョージ・キューカー監督 1940 アメリカ)
スクリュ-ボ-ル・コメディ・クラシックの、めくるめく世界。
フィラデルフィアの名門セレブ夫婦デクスター(ケーリー・グラント)とトレイシー(キャサリン・ヘップバーン)が離婚して2年後、トレイシーは下院議員のジョージ(ジョン・ハワード)との婚約を発表。ゴシップ誌「スパイ」は . . . 本文を読む
『グッドフェローズ』
(Goodfellas マ-ティン・スコセッシ監督 1990 アメリカ)
これぞ、スコセッシ(でもオスカーはなし)。
1950年代ブルックリン。13才のヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)はギャングに憧れていた。ポール・シセロ傘下のファミリーに加わり、若くして伝説のギャングと呼ばれたジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)を崇拝した。ファミリーの若頭に成長したヘンリーは . . . 本文を読む
『ディパ-テッド』の作品賞受賞について、いまだに悶々としております・・・しつこくてスミマセン。
『ディパ-テッド』感想記事は→こちら。
アカデミー賞関連記事は→こちら。
『インファナル・アフェアIII』感想記事は→こちら。
もう授賞式は終わったのだし、マ-ティン・スコセッシがようやくオスカーを得たことは良かったと思うし、納得したい気持ちはやまやまなんだけど・・・なぜか胸の奥がもやもやもやも . . . 本文を読む
『ドリームガールズ』
(Dreamgirls ビル・コンドン監督 2006 アメリカ)
ジェニファー・ハドソンのアカデミー助演女優賞受賞を受けて、おくればせながら観てきました。
1962年。3人娘のR&Bグループ「ドリーメッツ」は、タレントオ-ディションに出場し拍手喝采を得るも優勝を逃す。それを見ていたカ-ティス(ジェイミー・フォックス)は、ドリーメッツをスカウト。ソウル歌手ジミー・アーリ . . . 本文を読む
画像 ジェリー・サインフェルドのジョークに笑うイーストウッド
(master of my domain様、感謝します)
さっき結果を見て、びっくり。
なんと『ディパ-テッド』が作品賞ですと!
・・・う~む。アカデミー賞の選考って、それほど単純ではないのね。
『硫黄島からの手紙』だと信じこんでいたわたしの読みは、甘かった・・・。
他の受賞は、あてずっぽうの予想がわりと当たっていたので . . . 本文を読む
『ディパーテッド』
(The Departed マ-ティン・スコセッシ監督 2006 アメリカ)
うん、良かったです、意外と!
(以下、ネタバレを含む内容があります!)
アイルランド系カトリックアメリカンのコリン・サリバン(マット・デイモン)は、アイリッシュ・ギャングのコステロ(ジャック・ニコルソン)に少年時代から目をかけられ、警察学校を卒業して内通者としてボストン警察に潜入する。同 . . . 本文を読む
『セルロイド・クローゼット』
(The Celluloid Closet ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン監督 1995 アメリカ)
「稚姿(ちごすがた)は幽玄の本風なり」---
500年以上前に世阿弥が明言したごとく、ジェンダーの境界を越えた存在というのは、常に日本の伝統芸能の原動力でした。
世紀を重ねても、この伝統はまだ生きています。
英国のシェイクスピア劇も、中国の京劇 . . . 本文を読む
『インサイド・マン』(Inside Man スパイク・リー監督 2006 アメリカ)
スパイク・リー版「豪華キャストはこう使え!」映画。
マンハッタンのありふれた一日。ありふれた銀行で、ありふれた強盗事件。交渉人はNYPDの刑事フレイジャー(デンゼル・ワシントン)。犯人グループのリーダーはダルトン(クライヴ・オーエン)。銀行の会長(クリストファー・プラマー)に雇われた敏腕弁護士ホワイト(ジ . . . 本文を読む
『インソムニア』
(Insomnia クリストファー・ノーラン監督 2002 アメリカ)
連夜のW杯観戦で眠れない日々を過ごしている・・・から取りあげるわけでもありませんが(笑)。
「インソムニア=不眠症」。
白夜のアラスカで、17才の少女が奇妙な方法で死体遺棄される猟奇殺人が起きる。ロス市警から派遣されたのは、ベテラン刑事(アル・パチーノ)。地元警察のエリー(ヒラリー・スワンク)らととも . . . 本文を読む
『チャリング・クロス街84番地』
(84,Charing Cross Road デビッド・ジョーンズ監督 1986 イギリス=アメリカ)
今朝目覚めて、寝ぼけた頭でコーヒーを飲みながら、なぜだか理由はわからないけど、この映画のことをぼんやり思い出していました。この愛すべき小品のことを。
ニューヨークに住む女性脚本家と、ロンドンの古書店店長との、20年間にわたる文通。
本を注文する一本の手紙が . . . 本文を読む