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クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ハッピーブラザー

2006年01月29日 17時26分49秒 | 香港的電影
恭喜發財~!旧正月あけましておめでとうございます

ということで、香港旧正月映画の秀作をご紹介。

『ハッピーブラザー』(家有[喜喜]事 All's Well End's Well 高志森監督 1992)


香港では毎年この時期、旧正月映画が公開されます。
最近のものはあまりチェックしてないのでわからないんですが、90年代の旧正月映画には、一定の条件がありました。

「オールスターキャストであること」「ハッピーな物語であること」「ハッピーエンドであること」。

こう言っちゃうと、とりあえずスターが出てるだけのお気楽映画だろう、と思われるでしょうが、そういう映画こそリキ入れて作るのが、香港映画人のすばらしい所です。

オールスターキャストの華やかな面々は、レスリー・チャン、チャウ・シンチー、マギー・チャン、テレサ・モウ(レスリーのかつての彼女と言われるコケティッシュな女優さん)、サンドラ・ン、レイモンド・ウォン(兼プロデューサー)、その他往年の名俳優たちも出演して、豪華な顔ぶれです。

男三人の兄弟(レスリー、シンチー、レイモンド)それぞれの恋愛模様をおもしろおかしく描きながら、最後にはしみじみと「家族っていいもんだね」と思わせてくれる、ホームドラマです。
日本と違って、あまり「家族」というテーマが出てこない香港映画の中で、旧正月映画だけは、香港人の「家族」への思いを見ることができて、わたしは好きなんです。

それと、それぞれが主役をはれるくらいの大スターたちが、それぞれの役割をきちんとわきまえて、楽しそうに演じているのも良い。

特に周星馳は、90年に『賭聖外伝』で大ブレイクしてからこれが初めての旧正月映画出演ということで、ほんっとうに嬉しそう。

そしてまた彼のパートが爆笑ものなのです。『英雄』『花様年華』などのマギー・チャン(張曼玉)が周星馳の彼女役で、ふたりがノリノリでいろんなハリウッド映画のパロディをくりひろげるのが、笑える。

今は亡きレスリー・チャン(張國榮)は、みずから『さらばわが愛 覇王別姫』の前フリをするかのようなナヨナヨぶりで、こちらもノリノリ。

しかし最もエライのは、長男の嫁を演じたサンドラ・ン(呉君如)です!
彼女は香港ナンバー1コメディエンヌと言っちゃっていいでしょう。

とにかく女を捨てた前半のダサ嫁ぶりには、脱帽するしかありません。まさに女優の鑑!!日本のキレイなだけの若手女優たち(とそのプロダクション)に、サンドラの爪の垢を煎じて飲ませることに決めたいと思います。

監督は、『ホンコンフライドムービー』のクリフトン・コウ(高志森)。脚本は『少林サッカー』も客演もし、名脇役としても活躍しているヴィンセント・コク。本作は香港で92年に大ヒットし、その年の興収第2位にかがやきました(1位は周星馳主演の『審死官』(日本未公開))。


いろいろな騒動も最後にはまあるくおさまって、ただただ笑顔だけが残る、大好きな映画です。





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