とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ファイト・バック・トゥ・スクール

2006年03月20日 22時08分35秒 | 香港的電影
『ファイト・バック・トゥ・スクール』
(Fight Back To School 逃學威龍 ゴードン・チャン監督 1991 香港)


少しお休みしていましたが、更新再開です♪

さて。

1990年に『ゴッド・ギャンブラー 賭聖外伝』で大ブレイクした周星馳は、90年と91年の2年間で、実に19作品(!)に主演/出演しました。

香港の歴代興業収入記録を塗り替えたのは『賭聖外伝』の4100万香港ドルでしたが、翌年、シンチーはその記録を、自らの作品でふたたび破ることとなります。それが『ファイト・バック・トゥ・スクール(逃學威龍)』でした。ちなみに興収は4300万香港ドル也。

<あらすじ>
香港警察の刑事シンチーは、勉強が嫌いなので警察に就職、スワットでバリバリ活躍していた。ところがある日署長(バリー・ウォン 黄炳耀)に潜入捜査を命じられる。何と潜入するのは男子高。三十路に近い青年が、高校生になりすますだけでもかなり無理があるのに、宿題や試験までこなさねばならない。さらに警察の部下(ン・マンタ 呉孟達)が、用務員のおじさん兼保護者として一緒に潜入して、事態はますます混乱。しかし美人の養護教員(チョン・マン 張敏)にひとめぼれして、何とか生き甲斐をつなぐ。学校では黒社会が生徒を悪の道にさそう動きがあった。生徒たちを救えるのか、そして張敏先生のハートを射止められるのか、シンチー!?


はっきり言いましょう、これは大傑作です!

ナンセンス喜劇になじみの深いわれわれ日本人には、非常に受け入れやすい、爆笑シチュエーションコメディなんです。設定にはかなり無理が…とお思いでしょうが、シンチーのベビーフェイスでなんとかギリギリセーフ。というか、無理があるのが、かえって笑いをさそうんですよね(マニアはシンチーの学生服姿に萌え)(笑)。

わたしのうだうだした解説なんぞ読むよりも、ともかく作品を観ていただきたい!そしてきもちよく笑っていただきたい!

と、切に希望します。

あえてひとつだけ。
シンチーの部下役をやっているン・マンタ(呉孟達)。彼は、「シンチーといえばマンタ」と言うくらいの名パートナーです。といってもシンチーよりずっと年上のオジサン。だから、警察では部下、学校では保護者、このギャップが笑えます。

シネマヴェーラ渋谷のHPの解説では、マンタをコント55号の坂上二郎さんにたとえていますが、ふたりの掛け合いを見ていると、たしかに的を得ているな!と思えます。


ところで、アジアではスーパースターだったシンチーですが、日本でのシンチー認知はきわめて低かった&一部のファンにのみ知られる存在だった、んですよ。熱心なファンの方々は、90年代、わざわざ香港へシンチーの新作を観に行っていたんだそうです。

『ファイト・バック・トゥ・スクール』のような良質のコメディが、なぜ日本では劇場公開されなかったのか?もしも大々的に売り出されていれば、きっと日本はシンチーの絶頂期をリアルタイムで目撃する幸運にめぐまれたことでしょうに。

わたし自身「もっと早く出会いたかった」という後悔をいつも感じるので、よけいに悔やまれるんですよね。

ま、んなこたあ、どうでもいいか。いまは無事日本でもDVD化されていますので、ぜひ観てね♪






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