とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

チャイニーズ・オデッセイ

2006年02月04日 17時33分06秒 | 香港的電影
『チャイニーズ・オデッセイ Part1 月光の恋/Part2 永遠の恋』
(西遊記第壹佰零壹回月光寶盒/西遊記大結局之仙履奇縁 ジェフ・ラウ監督 1995)


いま話題のフジ月9ドラマ「西遊記」を、先日初めて観ました。
・・・うーむ、予想してたよりは、おもしろかった、かな?自分が香港映画好きだから、その雰囲気が出てるだけで、ついひいき目で見てしまう所もありますが。
つっこみたい部分はあるけれど、まあおいといて、西遊記を扱った香港映画の秀作をひとつ。

周星馳主演『チャイニーズ・オデッセイ』は、西遊記を大胆に脚色した、時空を超えた壮大なドタバタ&ラブストーリーです。1部と2部で一本の作品。レビューでは言い古されたことですが、タランティーノはこれを観て『キル・ビル』を2部に分けることを思いついたとか、つかなかったとか・・・

また中国ではカルトな人気があって、これもよく言われるけど北京大学の学生たちのバイブル的存在なのだとか(シンチーは大陸で本当に人気があります)。

天竺への旅がいやになった孫悟空(周星馳)は、三蔵(ロー・ガーイン)を売って逃げ出そうとするところを観音にとらえられ、三蔵も弟子の罪の責任をとって自害する。500年後、孫悟空と三蔵が転生するとの噂を聞いた妖怪たちが、不老不死の霊力をもつ三蔵の肉を食べるために集まってくる。転生するはずの場所には、おまぬけな盗賊たちとその若き首領(周星馳)がいた・・・

と、これはほんのさわりのお話で、孫悟空とかつての恋人(カレン・モク かわいい!)や、過去へタイムスリップしてから出会う運命の女性(アテナ・チュウ 超かわいい!)や、牛魔王やその妻といったおなじみの妖怪やら、とにかくいろいろ入り乱れて、時を超えたロマンスがくりひろげられます。

数々の周星馳的ギャグのナンセンス度はかなり高め、でも、美術やロケーション、衣裳はきわめて美しくて、壮大なファンタジーがぐっとリアリティをもっています。

パート2の後半で活躍する、周星馳扮する孫悟空がとにかくすばらしい!本人とはわからないほどのメーキャップをほどこされたシンチーが演じる毒のある孫悟空、慎吾悟空やマチャアキ悟空とくらべてみるのも楽しいですよ。西遊記って、キャストの違いでおもしろさが変わるのがいいんですよね。

キャストといえば、三蔵法師の意外さがこの作品の楽しみどころのひとつ。高潔で純粋、賢明でどっちかというとヤサ男というイメージが強い三蔵で、こんなに遊んじゃうとは!だって三蔵が「オンリーユー」を歌っちゃったりするんですよ(笑)!月9ドラマでも、このくらいの遊び心がほしかった、かなあ・・・(深津っちゃんはカワユイけど)説教臭いメッセージなんて、いらないからさー。

監督のジェフ・ラウ(劉鎭偉)はシンチーのごく初期の頃から演出や製作で交流のある映画人です。わたしは彼のコメディが大好き。香港ではややめずらしい独特のワビサビをもった監督です。シンチーの『賭聖外伝』をはじめ『黒薔薇vs黒薔薇』『大英雄』などシュールな娯楽作がつくれるすごい人です。

しかし『チャイオデ』では、周星馳も脚本や演出にかなり関わっていたといいます。全編にあふれる抒情性、ロマンティックで切ないラブストーリーは、シンチーとジェフ・ラウの共同作業のたまものでしょう。

みずからの宿命を受け入れていくこと、それによってあきらめなければならない愛・・・劇中の有名なシンチーのセリフは、このすばらしい西遊記映画とともに、シンチーファンにとって忘れられないものとなったのでした。


最愛の女性にむくいることができなかった
それを後悔しています
人生最大の不覚です
機会があるのなら 彼女に愛してると言いたい
もし時間をいただけるなら------
一万年の月日を望みます







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1 コメント

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こんにちは (芸能ニュース)
2007-03-29 17:39:43
はじめまして^^

私の芸能サイトで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。

紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/newsnews7/archives/53500913.html
です。

これからもよろしくお願いいたします^^
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