とんねるず主義+

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「俺たちゃ忍者だ!~ズッコケ大作戦~」その1

2005年12月04日 00時49分57秒 | とんねるずコント研究
「俺たちゃ忍者だ!~ズッコケ大作戦~」その1
(『とんねるずのコントVol.1 こんとinなえば10年の濃縮ライブ』所収。初演1994年)


これから、『とんねるずのコント』に収録されている苗場でのコントライブをとりあげて分析していきたいと思います。
1本目は、Vol.1の1発目コント「俺たちゃ忍者だ!~ズッコケ大作戦~」をとりあげる。「1・1・1」のゾロ目ですな。


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はじめにおことわりしておきますが、コント批評はすべてネタバレとなる予定です。『とんねるずのコント』ビデオをまだご覧になってない方は、先に見てから読まれることをおすすめします。
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<こんとinなえば とは>
ところでみなさんご存じとは思いますが、「こんとinなえば」は1990年から2000年まで、毎年2月または3月に新潟県の苗場プリンスホテルにて行われた、とんねるずによるコントライブである。後半はずっと3月に行っていたため、憲さんは毎年誕生日を苗場でお祝いしてもらっていたらしい。ちなみに筆者は貧乏学生だったため一度も行ったことがない(泣)。やっと行けるくらい大人になった2000年(とんねるず結成20周年)のVol.10を最後に「こんとinなえば」は終了。

ビデオ『とんねるずのコント1・2』には2000年2月10~13日のライブのセレクションに98年収録分2本を加えた合計9本のコントがおさめられている。

コントには、毎日演じられたものと日替わりのものがあった。ビデオでは、毎日上演分については、もろもろの理由で複数の日の舞台を編集でつないでおり、一回の舞台を完全収録しているわけではない。日替わりコントについては一回のみの上演のため、編集はないと思われる(ただし編集でカットした部分はあるかもしれない)。
ちなみに今回とりあげる「俺たちゃ忍者だ!~ズッコケ大作戦~」は2月10日のみの上演。


<コントとは>
さて、コントである。
しかしそもそも、「コント」とはなんぞや?
というわけで、ベタだがとりあえず広辞苑を引いてみた。

  コント:conte(仏)1)軽妙な短い物語。短編よりさらに短い小説。掌話。2)諷刺・諧謔に富
            んだ寸劇。                     

本来コントとは文学用語であったらしい。それがいつから演劇にとりいれられたのか、また日本において「コント」という言葉がいつごろ輸入され、いつからコントという形態の笑いが始まったのか、については筆者は管見にして知らない。というか、それをやりだすと、エンタツ・アチャコやら果てはチャップリン、キートンまでさかのぼる必要が出てくる気がするし、とてもじゃないけどやってられないので、割愛させていただく。まあ、おいおいってことで。

*日本におけるコントの定義が、世界的に同様の意味合いをもっているかどうかについても現時点では不明である。ちなみに英語ではconteではなくskitスキットやsketchスケッチがそれにあたるだろう。

 (*日本で「コント」ネタとは、現在ではかなり幅広くなっており、明確な定義が難しくなっているのではないかと思う。あえて言うなら、「非・漫才」を総称して「コント」と呼んでいるのではないか。たとえば「ものまねコント」のように、単にものまねを連発するネタであってもコントと呼ぶ場合がある。また、つぶやきシローや波田陽区のようなスタンスは、おそらくかつては「漫談」と呼ばれたものであろうが、これも「一人コント」といったりする。)12/6追加


世界に目を向ければ、コントの老舗といえば、やはり英国のモンティ・パイソンとアメリカのサタデーナイトライブだろう。特にモンティ・パイソンは日本でも絶大な人気があり、日本のコメディ界にあたえた影響は大きかったのではないかと考えられる。


両者を比較してみれば、前者の方がナンセンス(ブラック)・コメディの要素が強く、より日本の感覚に近いのではないかと思うが、これはあくまで個人的な感じである。ちなみに筆者はどっちも好きである。
感じとしては、パイソンのナンセンスとSNLの体をはったドタバタをたして、さらに体をいためつけるイタイ笑いや楽屋落ち的な笑いが加わったのが、日本の現在のコントの特徴ではないかな。という気がする。

またアジアでは、香港で許冠文(マイケル・ホイ)が監督・主演し70~80年代に大ヒットした映画『Mr.Boo』シリーズがある。これは、一本の映画がコントの集合体と言ってもいいような内容のすばらしいコメディである。日本では広川太一郎氏による伝説的な名吹替えでTV放映され、大ブームとなった(最近DVDも出ました。最高です)。とんねるずの二人も当然見ていたと思われるが、許冠文コメディとの比較なんてのも、おもしろそうである。


なんか、またまた前置きが長くなりすぎております。というわけで、次回に続きま~す(汗)





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