とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

とんねるずは演歌だ

2005年12月02日 18時46分11秒 | ワンフー日記



ブログを始める前、とんねるちゃんでネット検索して、あちこちさまよってたんですけども、ひとつ気づいたことがあります。それは、三十才代以上のいわゆる「とんねるず世代」のみなさんにとって、とんねるずっていうのは本当に身近な存在だったんだなあ、ということ。


そりゃまあ、とんねるず世代が十代だったころは、とんねるずはテレビ出ずっぱり状態でした。「夕焼けニャンニャン」をやってた頃は文字通り毎日、その後も冠番組がいくつもあって、週の半分は確実にとんねるずを見ていたし、ラジオもやってたし、年齢的にも近いし、親しみをもつのは当然なんですけども、それだけじゃないんですよね。


タカさんとノリさんの生い立ちとか、出会いとか、「みなさんのおかげです」直談判事件とか(これは有名かな)、他にもいろんなエピソード・伝説・武勇伝etcを、すごい熱心なファンというわけではない人でも、けっこうみんな自然に知ってるんですよね。

そして、まるで高校の友人や先輩の話でもするみたいに、そんな思い出を語る人々を至る所でお見かけします。わたしなんて何も知らなくて、こんなんでブログやったりしていいんかしら、と思いますが(汗)


スターとファン、という感じではなくて、なんかこう、ほんとに近いんですよ。
家族…というより、苦楽を共にした仲間のリーダーとして、てっぺんにとんねるずがいる感じ、というか。


それは、やっぱりとんねるず自身が、エピソードをネタとしてオープンに語る芸風であることも一因なんだけど、それだけじゃなくて…


とんねるずが、デビュー当時から、ただ明るくておもしろい人達ってだけじゃない何かを背負っていたからじゃないかと思うんですよね。それはなにかというと、哀愁というか、郷愁というか、うらぶれたというか…


若いって、けっこうしんどいじゃないですか。楽しいことばかりじゃない、むしろ苦しいことの方が多くて、でもそれをじっと胸にしまっておかなきゃいけない時代だと思うんですよ。そんな心のありようを、そのまんま体現してくれてたのが、とんねるずだったんじゃないかな。


たしかに、とんねるずと同時代のお笑いの方々には、多かれ少なかれそういう面はあります。たとえば時期はやや前後するかもしれませんが、お笑いスター誕生に出ていたシティ・ボーイズ、竹中直人*、イッセー尾形など。みんなどこか哀愁や狂気をあわせもったひとたちです。


とんねるずは若かっただけに、そういう面をお笑いの中で前面に出そうとはしてなかったかもしれません(本人たちもきっと気づいてなかったでしょうし)。でも彼らのドラマとか映画とかを観ると、やっぱり哀愁とかちょっとさびれた感じがあるんですよね。製作者は、やっぱりそういうところ、かぎとるんじゃないですかね。敏感に。


曲にもすばらしいバラードはたくさんありますしね。わたしなんて『ドラマのエンディングみたいに…』聴くと、じーんとして泣けてきちゃう。


とんねるずは、バラードであり、ブルースであり、演歌なんですよ、きっと。


そんな所に、どうしようもなくひきつけられるんじゃないかなあ。いまの若いみなさんに、そういうとんねるずを見せてあげられないのが、ちょっぴり残念です。






*竹中直人さんは『お笑いスター誕生』には出演していませんでした。筆者勘違いしておりましたが、執筆後に気づきました。







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