クアラルンプールのバスターミナル。
マレーシア中からの長距離バスが集まる。
市内には5箇所くらい大きなバスターミナルがあるらしい。
マレー鉄道が有るものの、庶民の足はバスが主体だ。
鉄道より値段が安いし、本数も多いので予約が取り易いのもいい。
バスターミナルは日本で言えば昔の上野駅みたいな感じで、地方から来た人でごった返していた。
ジョホール・バルから乗ったバスは高速道路を有る程度順調に進み、3時間遅れぐらいで、クアラルンプールに着いた。
バスターミナルは建物の一階が発着場になっているのだけど、そのある程度囲まれた空間に異常な数のバスが無秩序に入り乱れている。
特に並び方がある訳ではないようで、誘導する人が適当に開いている所に誘導しているみたいだ。本当はそれなりに並んでいるのかもしれないけど、それを見極めるほどそこに居続けることは不可能だった。
おびただしい数のバスから降りた沢山の人々とこれからバスに乗ろうとする人たちで、場内はじっとしている事すら出来ない。
歩いて出口に向かおうとしても、人の渦が邪魔でなかなか出られない。
すべての人が違う方向に進もうとして、先を争うので、ぶつかり合い押し合いながら進む感じだ。
排気ガスが充満し、気温は35度以上。暑い。
何なんだここは。
人ごみが嫌いなわけでもないし、通勤時間の満員電車も特に問題ない。
そんな次元を超えた人口密度と混沌。
だんだん気持ち悪くなってきた。
一刻も早くここから離れたい。そう思い地図も見ないでとりあえず歩き出した。
しばらく歩いたけれど、町の中心から外れていくようなので、引き返す。
気温35度以上だとかなりこたえる。
落ち着いて地図を見直し、狙いをつけてあった宿を探した。
宿はチャイナタウンに有り、バスターミナルからは歩いていける距離のはず。
初めて着いた町で、最初に歩いて宿を探している時に地図上の町と本物の町との距離感が掴めてくる。
これが掴めるまでは普通絶対歩かないような距離も知らずに歩いて行ってしまうという悲劇が起きてしまう。
何度歩き疲れて後悔したことか。
後で、タクシーに乗っても数百円でしかかからなかった事に気づき、愕然とする事もしばしばだ。
最初の宿を見つけられて、無事にチックイン出来ると本当にほっとする。
綺麗で安い宿なら最高だ。
だいたいそうとは限らないけど。
まずはシャワーとビールと仮眠。
基本です。
続く。