戦後間もない頃、母はヒロポンを服用したことがあると言っていた。当時は薬局で普通に売っている薬で、疲れたときにとってもよく効くという触れ込みだったそうだ。記事にも1943(昭和18)~50(同25)年まで製造、市販された(中略)覚せい剤取締法施行(51年)とともに使用や所持が罰せられるようになったとある。祖母(姑)が誰かにもらったか買ったかして、母(嫁)に飲ませたという。超強力リポビタンDみたいな感覚かな。確かにすごく効能があって驚いたけど、すぐに違法になった、と母が語っていた。さいわい常習にはならなかったみたい。それにしても国策で覚醒剤を作っていたというわけだ。クワバラクワバラ。
ヒロポン:客寄せに陳列、雑貨店主を書類送検 横浜
戦後の混乱期に大流行した覚せい剤「ヒロポン」を店に陳列していたとして、神奈川県警横浜水上署は10日、川崎市幸区の雑貨店経営の男(56)を覚せい剤取締法違反容疑で横浜地検に書類送検した。県警によると、ヒロポン所持者の摘発は「最近では聞いたことがない」という。
調べでは、男は1月28日午後1時20分ごろ、横浜市中区内で経営する日用雑貨店内のガラスケースで、覚せい剤「ヒロポン」の瓶詰ケース(47錠入り)を陳列した疑い。県警科学捜査研究所が鑑定したところ、1錠あたり0.001グラムの覚せい剤の成分が検出された。通行人が同月、ケース内のヒロポンを発見、県警に通報した。容疑を認めている。
男はヒロポンについて「10年ほど前、東京都内の神社境内であったノミの市で買った」と説明。「珍しいので、客寄せになると思って昭和30年代の雑貨品と一緒に陳列した。もう何十年もたっているから覚せい剤の薬効はないと思っていた」と供述しているという。
ヒロポンは錠剤、液体型の覚せい剤で、1943(昭和18)~50(同25)年まで製造、市販された。太平洋戦争中、軍人が恐怖心を取り除くため使用したのが始まりと言われる。覚せい剤取締法施行(51年)とともに使用や所持が罰せられるようになったが、54年ごろまで全国的に大流行した。【伊藤直孝】毎日新聞 2005年3月10日 11時34分