1年ぶりぐらいに
飛行機に乗ったところだったので高知空港での胴体着陸には驚いた。羽田でよく見るのはボーイングの大型機なのに対して、伊丹空港ではボンバルディアがずいぶん多いな、と思ったところだったためだ。
胴体着陸してどんな影響があったのか、ANAのWebページで運行状況を調べた。
胴体着陸したANA1603便は8:10発11:08に到着済み。なに気なく表示されている。しかし、よく見ると後から伊丹を出発した1605便が先に到着している。つまり1603便が高知の上空を旋回している間に後から来て着陸したということだ。1605便は伊丹に引き返すことなく高知にやってきた。
ちょっと驚いたのが高知発の運行状況。
ANA1606便は胴体着陸した機材を使う便だったのだろう。当然欠航である。ところがその後の1608便はほぼ予定通り出発している。つまり伊丹から来た1605便は胴体着陸する1603便が高知の上空を旋回している間に高知に着陸して、さらに乗客を乗せて出発したということになる。
全日空機、前輪下りぬまま胴体着陸 高知空港
2007年03月13日13時28分
13日午前8時49分ごろ、大阪(伊丹)空港発高知空港行きの全日空1603便(ボンバルディアDHC8―400型機、乗客56人、乗員4人)から着陸の際に前輪が下りないと、高知空港の管制官に連絡があった。同機は上空で旋回を繰り返して燃料を消費した上で、同10時54分、着陸を試み、機首を滑走路にこすりながらも無事に着陸した。国土交通省によると、乗員乗客にけが人はないという。機体に大きな損傷はない模様だ。
国交省は、同型機について「耐空性改善通報(TCD)」を13日中にも発令。同日午後から国内で運航されている計22機について、運航を順次停止し、前輪が正常に下りるか緊急点検する。緊急点検に伴い、同型機を使用する路線では欠航なども予想される。
同省の航空・鉄道事故調査委員会は、航空事故として事故調査官を派遣した。
同機は、午前8時20分に大阪空港を離陸し、8時55分に高知空港に着陸予定だった。操縦室には機長(36)と副操縦士(34)の2人が乗務。同機は一度着陸を試みたが、前輪が出ずにやり直し、上空待機を続けていた。
機体前方が滑走路に接地すると、火花が上がったが、機体は徐々に速度を落とし、滑走路上に停止した。消防車が機体に消火剤をまいたが、火災などは発生しなかった。
記者会見した全日空の中村克己・オペレーション統括本部副本部長によると、本社への連絡は9時10分ごろ。燃料の残量から飛行可能なのは1時間半だったため、大阪に引き返すより、高知空港に着陸したほうがいいと判断した。
今回トラブルを起こした機体は74人乗り。05年7月に納入され、総飛行時間は約2967時間という。今回のトラブルについて、全日空は、はっきりした原因はつかめていないとしている。過去のトラブルについては、「この機体については大きなトラブルは聞いていない。しかし、過去に同機種ではトラブルは何度か経験しており、同種の400型の13機については緊急点検を実施する」と答えた。
今回と同型機ではこれまで2件、前脚や主脚が出ないトラブルが発生。1件は06年2月、中部空港から松山空港に向かっていたエアーセントラル機、同5月6日も大阪から新潟に向かっていた同社便で、すべての脚が出なくなった。いずれも手動操作で脚を出して着陸していた。