バッハの4大宗教曲のうちの一つの、「ロ短調ミサ」。
この中で演奏会数が多いのは「マタイ」だろう。私もプロ・アマ合わせると
相当聴いているが、一番印象が強かったのはバッハ・コレギウム・ジャパンが
結成されてからすぐの「マタイ」だった。90年代初めのことだ。
「ロ短調ミサ」は自分でも歌いたいと思いながらいまだ果たせず、もう無理
のような気がする。かなり高度な技術力とエネルギーが必要だ。
今日はトン・コープマン率いる「アムステルダム・バロックオーケストラ&合唱団」の
コンサートに行った。「ロ短調」の前に、バッハの「小フーガ」が演奏され、
会場のパイプオルガンの響きも聴くことが出来た。7月に所沢ミューズでの
コープマンのオルガンコンサートでもこの超有名曲が入っていたが、コープマンの
演奏は同じく超特急であったが、ここトリフォニーのオルガンの方が深みのある音
のように感じた。
席が3階バルコニーの前端で音響がどうなのかと心配だったが、舞台がよく見えるし
合唱団、オケの音もよく聴こえてよかったと思いきや、歌ソリストの声が聴こえにく
かった。後ろ姿しかみられなかったのだからしょうがない。でもコープマンの
躍動感溢れる指揮を見ているのは楽しく、ポンセールやハーツェルツェトのソロは
さすが年季の入ったものだった。舞台にはポジティフオルガンが2台あり、歌ソロの
伴奏の際のコープマンのオルガンの右手がなんとも美しかった。合唱団も26名と
多くはないがレベルが高く、プロ集団の質を見せつけられた。
明日の札幌でのコンサートは中止という。東日本大震災のあとの状況を思い出す。
一日も早い復旧を祈るばかりだ。
トリフォニーホールは初めて行ったが、錦糸町駅からも近く、残響も程よく
良いホールだった。今度はパイプオルガンコンサートを聴いてみたい。