古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

バロック不慮の死作曲家御三家 

2010-03-11 09:05:26 | ルネッサンス・バロック音楽
今朝「バロックの森」でルクレールの『トンボー』ソナタが
放送された。重音で始まるGraveは 実にかっこいいし、
全楽章にわたりヴァィオリンの輝かしい響きに満ちている。
寺神戸さんの大分まえに出たルクレールソナタ集はルクレール
を知るには御値段もお買い得。

ルクレールは不慮の死を遂げた作曲家の一人なのだ。
長命作曲家御三家の後、不慮の死作曲家を調べようと思いながら、
結局その時浮かんだ3人を御紹介。まだこの人がいるじゃないか
と思われる方、教えてくださいね。

まず映画ルイ14世『王は踊る』でその場面があったので
良く知られることになった、
 ①リュリ(1632-1687)
 イタリア生まれだが、ルイ14世の宮廷楽団を牛耳るようになる。
 当時の杖のような指揮棒を足に突き刺してしまい、その傷が壊疽になり
 やがて亡くなる。リュリの妻はかの長生き2位のミシェル・ランベールの娘。
 
そして、ヴァイオリンの魅力を存分に引き出す曲を沢山作った
(一部はトラヴェルソでも演奏)ルクレール
 ②ルクレール(1697-1764)
 ヴァイオリン奏者作曲家、ダンサー。2度の結婚に破れてからは
 音楽界を退き、パリ郊外に住み、数年後何者かに刺殺された。
 2番目の妻(楽譜彫版師)にも嫌疑がかけられたが、事件は迷宮入り。

三番目のブランクローシュは前の2人に比べると大分マイナーかもしれない。
作曲家とはいえないのかもしれない、というのは多分作ったらしい小品
があるのみ。でも考えるに作曲家兼演奏家の時代だ、残っていない
だけではないかと思う。
 ③ブランクローシュ(1605-1652)
 当時きってのリュート奏者、階段から落ちて、ちょうど同じ屋敷にいた
 フローベルガーの腕の中で息を引き取った。
 4人の作曲家がブランクローシュを悼むトンボー(墓の意味で音楽用語
 だと追悼曲)を作曲。4人とは
 ゴーティエ、デュフォー、ルイ・クープラン、そしてフローベルガー。

普通の死に方でないととかく話題になってしまう世の常。①②は沢山の
曲を残しているが、ブランクローシュの名演ぶりは知る由もない。
でもこんなに曲を捧げられて幸せ者だ。

ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ
寺神戸亮
コロムビアミュージックエンタテインメント

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