わかれをば やまのさくらに まかせてむ とめむとめじは はなのまにまに
別れをば 山の桜に まかせてむ とめむとめじは 花のまにまに
幽仙法師
別れは山の桜にまかせてしまいましょう。引き留められるか否かは、花にどれだけ魅かれるか次第ということで。
山桜の美しさを愛でると同時に、その美しさで人々を魅了して、別れの時を少しでも先延ばしさせてほしいとすがる想いですね。
作者の幽仙法師は、藤原北家の末裔に属する僧侶。古今集には、この歌と 0395 の二首が入集していますが、勅撰和歌集全体で見ても採録はこの二首のみのようです。