漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0393

2020-11-26 19:35:53 | 古今和歌集

わかれをば やまのさくらに まかせてむ とめむとめじは はなのまにまに

別れをば 山の桜に まかせてむ とめむとめじは 花のまにまに

 

幽仙法師

 

 別れは山の桜にまかせてしまいましょう。引き留められるか否かは、花にどれだけ魅かれるか次第ということで。

 山桜の美しさを愛でると同時に、その美しさで人々を魅了して、別れの時を少しでも先延ばしさせてほしいとすがる想いですね。
 作者の幽仙法師は、藤原北家の末裔に属する僧侶。古今集には、この歌と 0395 の二首が入集していますが、勅撰和歌集全体で見ても採録はこの二首のみのようです。



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