漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1095

2022-10-29 06:08:38 | 古今和歌集

つくばねの このもかのもに かげはあれど きみがみかげに ますかげはなし

筑波嶺の このもかのもに 蔭はあれど 君がみかげに ますかげはなし

 

よみ人知らず

 

 筑波山のこちら側にもあちら側にも蔭はありますけれど、あなたの御影にまさる蔭はありません。

 詞書には「常陸歌」とあります。「君」はお仕えする主君とも、愛しい異性ともとることができそうです。前者と捉えれば「みかげ」は恵みによって守られること、後者と捉えれば文字通り「お姿」の意ですね。