漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1097

2022-10-31 06:27:27 | 古今和歌集

かひがねを さやにもみしか けけれなく よこほりふせる さやのなかやま

甲斐が嶺を さやにも見しか けけれなく よこほりふせる さやの中山

 

よみ人知らず

 

 甲斐の国の山々をはっきりと見てみたい。それなのに、心なく横たわって視線を遮っている小夜の中山よ。

 この歌と次の 1098 は「甲斐歌」。「甲斐が嶺」は、富士山、白根山など特定の山を指すとの説もあります。「けけれなく」は「こころなく」の東国なまりのようです。第五句の「さやの中山」は、0594 にも出てきた地名ですが、「さや」に見たいのに「さや」の中山が邪魔をしているという洒落(駄洒落?)ですね。

 

 さて、この連載も今日から4年目に突入。それと同時に巻第二十「大歌所御歌」も残り3首、「墨滅歌」まで含めた全巻読み切りまでもあと14首になりました。あと二週間で古今和歌集の日々紹介もおしまいかぁ。。。