漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0592

2021-06-13 19:28:17 | 古今和歌集

たぎつせに ねざしとどめぬ うきくさの うきたるこひも われはするかな

たぎつ瀬に 根ざしとどめぬ 浮草の 浮きたる恋も われはするかな

 

壬生忠岑

 

 激しく滾る流れに根をとどめることのない浮草のように、ふわふわと落ち着かない恋をする私であるよ。

 「根ざし」は地中に根を深く伸ばすこと。不安定な恋に揺れる自身を、根ざしがなくふわふわと浮かぶ浮草になぞらえての詠歌です。