漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0582

2021-06-03 19:30:30 | 古今和歌集

あきなれば やまとよむまで なくしかに われおとらめや ひとりぬるよは

秋なれば 山とよむまで 鳴く鹿に われおとらめや 一人寝る夜は

 

よみ人知らず

 

 秋なので山に響くほどに鳴く鹿にさえ、一人寝る夜の私は劣ることがあろうか。

 「とよむ」は「響む」。一人寝の寂しさに泣く作者の泣き声は、山に響くほどに鳴く鹿の声にも勝る、というわけですね。鹿というのは、秋になると一層けたたましく鳴くものなのでしょうか。そちらが気になってしまいました ^^;;