『天空の草原のナンサ』

2006-01-25 20:31:56 | cinema
水曜日なので映画にゆく。
夕方から町内会の理事会の予定が入っているので、朝いちの回にゆく。
ねむっ。さむっ。
日比谷シャンテ・シネまで、新橋から歩いたらすごく遠回りしてしまった。どうしていつも記憶のなかにある地図と現実の地図は違うのだろう。まっすぐ行けばすむものをなぜ迂回してしまうのだろう。これはもう、方向音痴とかなんとかのレベルではないような(泣)。


レディス・デーとはいえ、初回なのでわりとすいていた。とはいえ、あいかわらず傍若無人なおばさまたちの喧騒にはやや閉口。
映画はずっと見ようと決めていた『天空の草原のナンサ』。モンゴルの普通の一家の話。
本当にモンゴルの普通の一家の、ドキュメンタリーに近いようなお話で、特に大きな事件やドラマがあるわけではない。ナンサという女の子が犬を拾ってきて、それをお父さんから飼ってはだめだと言われたのだけど、一番下の子をその犬が救ってくれたような一件があって飼ってもらえるようになったと、簡単にいうとそんな感じの映画。
モンゴルでは犬は死ぬと人間に生まれ変わるという言い伝えみたいのがって、前世というものに対する独自の世界観がある。そういうものに思いがいくようになった年頃のナンサという少女(7歳くらいかなあ)がとてもかわいい。
登場人物は五人家族の一家と、ナンサに前世の話を教えてくれたおばあさんと、あと二人くらい父親の友達が出てくるくらいで、映画は延々とナンサの一家の日常生活が描かれる。みな役者ではないから、演技というよりは素朴な暮らしぶりをカメラは追うだけ。
パオを分解し、多くない家財道具一式と一緒に牛車に乗せて、次の生活の場所へと移動するシーンが圧巻だった。

なぜかわたしはモンゴルが好きでモンゴルの映画もかなり見ているのだけど、実際に行ってみたいとかましてやそこで暮らしてみたいとはあまり思わない。
世界に、こういう暮らしをしているひとたちがいるということを知るだけでも、なんだか心が温まる。もちろん、厳しい自然との戦いの連続だし、モンゴルにもすでに文明の波は押し寄せている。
実際一家は、ナンサに町の学校に通わせるための画策をしたりしている。母親がぽそっと「ここの暮らしもそんなに悪くはないけどね」と言うのが印象的だった。

ゆうべからまた喉の奥のほうが痛くて、いよいよ本格的に風邪をひいたもよう。映画の最中も咳が止まらなくなるので何回ものど飴をなめていた。
家に帰ってごはんを食べたあと、気が付いたら眠っていた。隣の奥さんに電話で起こされて理事会にもうろうと参加。