エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

スマートグリッドの成否はソーシャルエンジニアリングで決まる

2010-08-21 11:41:46 | Weblog
東大の宮田秀明教授は、スマートグリッドは技術的なイノベーションではなく、むしろ社会的イノベーションを推進するツールであり、「次世代電力網」というよりも「知能化電力社会すステム」と呼ぶべきだと主張しています。
また、その際リチウムイオン電池などの二次電池が浸透する基盤ができつつあり、電気が蓄積できるものであるというパラダイムが登場したことが大きいとしています(こちらをご覧ください)。
まったく、同感です。従来私は「スマートグリッドの成否は、1%のテクノロジカル・エンジニアリングと99%のソーシャル・エンジニアリングで決まる」と主張してきましたが、その社会システムを産み出す社会実証プロセスを制度設計しています。

環境省のロードマップを「単なる絵」に終わらせないために

2010-08-20 07:04:38 | Weblog
環境省の中期目標90年比25%削減)を実現するためのロードマップなどの作業が進められていますが、「どうも、しっくりこない」という感が否めません。そのロードマップが出来上がっても、その瞬間から実行可能なブループリントとはなりえないのではないかという危惧が大いにあるからです。それは、これらが今の社会システムを前提としたものであり、かつ、財源論の裏付けのないまま、(言葉はきついですが)「単なる絵」を描こうとしていることに根本的な原因があるのではないかと思います。
 では、いかにすれば「単なる絵」ではない実行可能なブループリントを作成することができるか。そのための原則を考えてみました。まず、環境省の中期目標90年比25%削減は、今の経済社会システムを前提として目標を達成するための必要条件だけを明らかにしようというアプローチに終始していますが(「ジェット機で月に行こうとする発想」)、必要なのは、目指すべき経済社会の目標を確定して、バックキャスティングの発想の下に市場経済と法制度のあり方を構想し(「ロケットで実際に月に行く発想」)、そのための必要条件のみならず十分条件を明らかにするというアプローチを採るべきです。
 たとえば、スマ―トグリッドでは、太陽電池による発電、家庭用燃料電池、プラグインハイブリッド車や電気自動車などを組み合わせることによって、家庭が供給単位となることができるものです。そこでは、ドイツ、スペインやデンマークで取られている再生可能エネルギーの優先供給や優先接続、系統運用のルールの見直しにとどまらない送電網の強化(再生可能エネルギーの導入に積極的な欧州の送電網はメッシュ型であるのに対して、日本の送電網は各電力会社の送電網を串刺しにした串刺し型になっており、各社の送電網をつなぐ連携線の容量は極めて限られています)などの短期的な課題の解決とともに、発送電の分離、10電力体制の見直しなど中期的な課題も検討の射程範囲に入ってきてしかるべきですが、現在経産省が構想するスマートグリッドは、現行の電力網の延長線上にあるものにすぎません(例えば、「次世代送配電ネットワーク研究会」報告書(こちらをご覧ください)など)。これでは、スマートグリッドと言っても、迫力のないものとなるでしょう。
 財源論に関して言えば、予算単年度主義の影響からか、30年あるいは20年までの基本計画あるいはロードマップの作成に関しては、今は財源の裏付けは議論しなくても良いという姿勢が見えます。これでは、自ら基本計画あるいはロードマップを「単なる絵」であると認めているようなものです。「国家百年の計」という中長期的な視点に立ってあるべき制度と市場経済の活用のあり方を構想し、そのためにできるだけ国の財政負担を増大させないスキーム上の知恵を絞るべきです。関係者の奮起に期待したいと思います。

スマートメーターによる需要応答(Demand Response)の効果

2010-08-19 00:52:34 | Weblog
 アメリカにおけるスマートグリッドの展開は、消費者へのエンパワーが明確に意識されています。この観点からアメリカでスマートメーターによる需要応答(Demand Response)の効果を実証したものとして、米DOEの国立研究所であるPacific Northwest National Laboratoryにより2008年に行われたGridwise Olympic Peninsula Demonstration Projectがあります。
 これは、Pacific Northwest Gridwise Testbedというテストベットを活用して行われたもので、5分間隔のダイナミック・プライシングによる効果をブロードバンドを使って実証的に検証したものです。実証の結果、これによりピーク電力を15~17%減少させるとともに、平均的な家庭で15%電気料金が安くすることができるということが明らかになりました。
 こうして、アメリカではブロードバンドを活用した5分間隔のダイナミック・プライシングの有効性が実証され、それが広範に普及される素地ができました。

マイクロソフトとフォードとのHEMS・V2G提携

2010-08-18 07:05:21 | Weblog
マイクロソフトとフォードは、マイクロソフトの住宅向け電力管理システム Hohmに、フォードのプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)の充電管理機能を追加することで提携しています(こちらをご覧ください)。まず、2011年に北米市場で発売予定のプラグインハイブリッド車Focus Electricに搭載する計画です。 HEMSとV2Gが結合したものとして注目されます。

日本のスマートグリッド市場は15年1兆円超

2010-08-17 00:54:01 | Weblog
 民間調査会社の富士経済は14日、国内のスマートグリッド関連市場の規模が、2015年には1兆円を超えるとの調査結果をまとめました。太陽光発電の普及によって、パワーコンディショナーなど制御機器の需要が増えるほか、蓄電池の市場も急伸するとしています。電力会社の送配線設備への投資の回復が進むと見通し、09年比で市場規模は1.5倍になると見込んでいます。

日本の「スマートグリッド革命」への道はどうなるのか?

2010-08-15 00:00:13 | Weblog
日本の「スマートグリッド革命」への道はどうなるのか?=「資本主義は今後どうなるのか?」、これは、このお盆に短い夏休みをとった自分に課した宿題です。これに関して浜のり子は、最新著『新しい経済学』(7月24日刊行)で「グローバル市民主義の薦め」というメッセージを発しています。以前彼女は、「ポストグローバル資本主義の貨幣は何か」を問い、それはグローバル化した国民通貨では自己矛盾に陥るとして、エコマネー、地域通貨ではないかとしていました。ただ、彼女はそこまでで、それ以上の中身を示す力量はありません。「グローバル市民主義の薦め」についても同様です。

1999年に知り合った自然哲学者の内山節は、「里の思想」と題して、関係性の中から価値が生み出されるという私と同じ発想に立ち「ポストグローバル資本主義で価値とは何か」を問いかけています。「里の思想」はいい着想ですが、哲学的な問いかけのみで、「価値論」の実践的展望はありません。

また、「資本主義はどうなるのか」といいう問いかけには、岩井克人と竹森俊平の二人を無視することはできません。岩井克人の『資本主義から市民主義へ』は、岩井の得意とする「貨幣論→資本主義論→会社論→信任論」という論理展開の中で、「→市民社会論」のさわりを示していますが、「市民社会論」からする逆の考察がまったくできていません。岩井克人はこれからやるといっていますが、彼は生の市民社会を知りません。この点に関して岩井克人は、浜のり子の「グローバル市民主義の薦め」と同様、空虚です。

ここで、夏休みの自分に課した宿題として、日本の「スマートグリッド革命」への道はどうなるのか?=「資本主義は今後どうなるのか?」について、現段階での私の考えをまとめてみようと思います

・未曾有の金融危機、デフレ不況、円高・株安、雇用不安、展望なき社会の閉塞感、医療崩壊、食品偽装、高い自殺率、秋葉原事件などの異常犯罪の多発、商店街など地域社会の崩壊などの根底にあるのは、「グローバル資本主義」が抱える限界、矛盾の顕在化

・日本は今やアメリカに次ぐ貧困大国(08年OECD報告で明らか、これには愕然とする)。日本社会の美徳であり、日本企業の競争力を支えた「信頼」財も崩壊しつつある(「信頼」財の合理性は、スティグリッツなどの「情報の非対称性」の理論によっても裏付けられる)。まさに「希望なき貧困大国」。

・「グローバル資本主義」は効率化、経済の活性化(ただし、その裏腹のバブル)をもたらしたが、経済の不安定化、所得格差の拡大、地球環境の破壊という人類的危機をもたらした。このまま「グローバル資本主義」を放置しておくことは人類の滅亡につながる。

・かかる状況下で、主流派経済学の「市場の失敗」論(文化、伝統、歴史や社会の紐帯は規制の温床になると説いた)は害のほうが大きい

・この状況下でも、日本の地球環境論をリードするオピニオンリーダーは、「炭素に価格をつけろ」「市場を作れ」とだけ叫ぶだけで、その結果ナイーブに「グローバル資本主義」を呼び込むことの副作用がどんなに甚大なものであるのかわかっていない。90年代以降の経済分野でのうすっぺらな改革論と同じで、日本の論壇はお寂しい限り。

・改革派の旗手であったときに中谷巌は、「改革の必要性はわかる。ただ改革した後、日本の社会はどうなるんだ」と問われたとき、「それはマーケットが決めてくれますよ」と応えていた。それと同じことを日本の地球環境論をリードするオピニオンリーダーたちは今環境で言っているに過ぎない。問題は、炭素に価格をつけ、市場を作ったあとどうするか、その回答、処方箋を併せて事前に提示することだ。環境に関して、「それはマーケットが決めてくれますよ」と言う(逃げる)のはあまりにも無責任。

・これからの問題設定は、改革か守旧かではなく、社会が豊かになるかどうか。この点が、私が09年1月のオバマ就任演説で最も印象に残ったところ(「大きな政府か小さな政府かが問題なのではない。市場が有効か有害かも問題なのではない。それが豊かな社会を作るかが問題なのだ」)。

・「グローバル資本主義」とそれまでの資本主義の決定的な相違は、生産(途上国)と消費(先進国)の分離。労働者・市民と消費者が同一人物である必要がなくなったこと。この結果、ロバート・ライシュ(『暴走する資本主義』)、古くはカール・ポランニィ(『大転換』)が指摘しているように、本源的生産要素である労働、土地、資本の商品化に民主主義、政治のコントロールという歯止めがなくなり、新しい"搾取"構造が顕在化。

・誰も指摘したことはないが、労働、土地、資本のほかに第4の本源的生産要素としてはエネルギーがある。この某大学の環境経済論のコースで「エネルギー経済論」を教えているが、今後、市場の形成論とともに、この点にも踏み込んだものとしたい。

・宗教国家、理念国家であるアメリカは、今後凋落していく可能性あり。オバマは「最後のアメリカ人」(塩野七美の「最後のローマ人」をもじったもの)になるかもしれない。

・自然を管理するという発想に立った「スチュワードシップ」(Stewardship)の考えはもはや限界。その対極にあるのは「里の思想」。

・高い自殺率、秋葉原事件などの異常犯罪の多発、商店街など地域社会の崩壊などの社会現象については、作家である辺見庸は「パンデミック」と形容している。この「パンデミック」のもとで、カミュが『ペスト』で描いたように人々は危機に慣れっこになっている。「本当に恐ろしい危機は、危機の到来より危機に慣れてしまうわれわれの心」ではないだろうか。

・それへの唯一の解答があるとすれば、カミュが『ペスト』で誠実にペスト患者一人ひとりを診察し、治癒していく一人の医者の姿を描写したように、「丁寧なものづくり」、「(近江商人の三方よし、石田心学に象徴される)誠実な商売」、「丹念な自然の回復」しかないのではないか。「誠実さ」(Sincerity)が答え。

・エネルギーの分野で言えば、世界でもトッププラスの省エネルギー、太陽電池、センサーなどの制御技術などを地道に磨きつづけ、世界にモデルを提示したり、普及せしめることが必要。そこで、労働者・市民と消費者が同一人物である「プロシューマー」(生産消費者)の世界を作り出すことが日本の「スマートグリッド革命」への道(こちらをご覧ください)。

・通貨・金融に関しては、岩井克人は「世界中央銀行」の設立しか根本的解決の道はないとするが、もう一つあるのは、貨幣の名目利子率をマイナスにして貨幣の膨張性そのものを封印すること。ただし、この点に関しては、ゲゼルや地域通貨論者の議論は、経済学的にはプリミティブ。エコマネー2.0(こちらをご覧ください)こそが岩井克人などとも互角に渡り合って学問としても検証しうるもの。

シリコンバレーでは「ドット・オルグ」により再生可能エネルギー等を支援する動きが顕著

2010-08-14 07:02:15 | Weblog
シリコンバレーでは、IT企業が「ドット・オルグ」という非営利組織を設立して、従来のフィランソロピー活動への支援ではなく、地球環境、再生可能エネルギー、医療などの分野における社会起業家に対する投資を行うという動きが顕著になっています。この典型は、グーグル財団のグーグル・ドット・オルグとイーベイのオミディア・ネットワークです。
このうちグーグル財団は、2005年にグーグルが設立したNPOで、9000万ドルの資金でスタートしました。設立当初は発明コンテスト(Innovate or Die)、大学の研究所に対する寄付などを行っていましたが、すぐさま方向転換して、営利組織に投資を行うグーグル・ドット・オルグをスタートさせました。グーグル・ドット・オルグは、非営利組織ながら、新興企業へ投資を行い、そこで得られたリターンはまたグーグル・ドット・オルグへ還元されるという仕組みです。グーグルがこのグーグル・ドット・オルグにつぎ込んでいる資金は、グーグル株300万株。一株684ドルとして換算すると20億5200万ドルです。これに加えて、グーグル自体の年間利益の1%もチャリティに回されています。
グーグル・ドット・オルグの投資先は、再生可能エネルギー、地球環境、医療、開発・貧困問題などの分野における社会起業家です。2003年以来元副大統領のアル・ゴアがアドバイザーに就任していますが、最近は特に地球環境問題に力を入れており、再生可能エネルギー分野に投資することを発表しています。すでに再生可能エネルギー関連の新興企業数社に投資を行っていますが、さらに風力、太陽光、地熱などによる発電に注力し、数年後にはそうした再生可能エネルギーが石炭な石油などによる電力よりも安く供給されることになることを目指しています。
このグーグルの活動を同様の試みを行っているのがインターネット・オークションのイーベイです。創業者であるピーエール・オミディアの個人資産によって財団であるオミディア・ネットワークを設立して、オープン・イノベーションを促進するという理念の下に社会起業家に対して投資を行っています。

市民発電所の今日的意義とエコマネー

2010-08-13 00:19:29 | Weblog
日本でも、自治体独自のグリーン電力証書の買い取り、市民出資と結びついた再生可能エネルギーへの取り組みなど地域主導の取り組みが各地で進められていますが、ここで市民共同発電所の今日的意義について考えてみたいと思います。
市民共同発電所とは文字通り市民が共同で作った発電所のことを指します。組織形態は多様ですが、資金調達形式で見ると寄付型、出資型、地域活動型の3類型があり、所有形態で見ると共同所有者として分配金を受け取り運営にも参加する共同所有方式と法人・会社方式に分類されます。
1億円を超える巨額の資金調達を必要とする大型風車の場合には匿名組合という組織形態を活用した後者の方式がとされており、出資者は出資額に応じて配当を受け取りますが、元本の保証はなく運営にも参加しません。
分散型エネルギーの伸長は、政策決定プロセスを変更する可能性を秘めています。固定価格買い取り制を広めたのはドイツのアーヘン市電力公社が打ち出した「アーヘン・モデル」ですし、市民出資による太陽光発電でモデルとなったのはフライブルグです。フライブルグのサッカー・スタジアムの太陽光パネルは、市民の区分所有権を募集して設置したものであり、エネルギー政策とスポーツ政策の結合、行政・企業・スポーツクラブ・市民の協働として高く評価されています。
風力発電の先進国であるドイツやデンマークでは、風力発電の80%以上が個人または協同組合の所有です。デンマークでは、当初出資者の資格を半径3キロ以内の居住者に限定し、できる限り多くの出資者の参加を得るために出資額にも上限を設定していました。その後居住者の範囲を拡大し、出資額の制限も緩和していきますが、「地域の風は地域のもの」という基本理念の下に大企業の参加を制限してきました。陸上での風力発電の普及がほぼ完了し、洋上風力発電への転換が図られる中で投資規制は2000年に撤廃されましたが、この政策転換の前提には「海上は国民の共有財産」という社会理念がありました。
日本の市民共同発電の第1号は、1994年に宮崎県串間市の市民団体「太陽光・風力発電トラスト」が取り組んだ太陽光発電「ひむか1号」です。その後拡大を続け、07年9月時点で取り組み団体は71、発電所は185基(太陽光164基、風力20基、小水力1基)、出力合計は1万5843キロワットとなっています。その大部分は小規模な太陽光発電ですが、巨額の資金を必要とする風力発電に関しても、「市民風車」の取り組みが各地で進められてきました。2001年に北海道浜頓別町で市民風車第1号(1000キロワット)が立ち上げられ、その後青森県鯵ヶ沢町、秋田県天王町、北海道石狩市と続いて現在20基の市民風車が稼働しています。
また、10年度からは、日本で初めての市民参加型のウインドファーム事業である石川県輪島市「輪島門前コミュニティウインドファーム」の事業が開始されることになっており(こちらをご覧ください)、日本でもようやく市民主導の大規模市民風車の時代に入ってきたと言えます。
市民共同発電の試みはまだ規模は小さいものですが、その意味するところは極めて大きいと言えます。そこでは、市民は単にエネルギーの消費者ではなく、発電事業者すなわちエネルギーの生産者として出現しています。アルビン・トフラーは『第3の波』の中で、自ら生産し消費する諸費のための生産を第1の波とし、産業社会における交換のための生産を第2の波とし、第3の波である現代は、高い科学技術水準の裏付けを持って生産と消費を再統合する「生産者(プロデューサ)=消費者(コンシューマ)」すなわち「プロシューマ」の時代として位置づけています。
インターネットの世界では、ソフト開発ではL・トーバルスのリナックス、辞書編纂ではウィキペディアが登場し、いずれも無償ではありますが自由意思に基づく共同作業によって「コンシューマ」の活動が展開されています。
「コンシューマ」に向かう国際的な動きが「フェアトレード」(発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み。ヨーロッパを中心に1960年代から本格的に広まり、現在では数千店舗の第三世界ショップが世界中に開かれています)であると言えると思いますが、市民共同発電所のケースにおいては、リアルな世界で、しかも有償の関係で「コンシューマ」の活動が推進されています。ここでの労働は、もはや会社の利潤を増やすための労働、自分の生活費を稼ぐための労働ではなく、自己充足のためのあるいは他社との協働によるコミュニティのための労働に順次変化していくことになります。
しかも、第2の波の時代においては、生産者(プロデューサ)と消費者(コンシューマ)は人格的に分離しており、両者はマネーを媒介にした市場関係でつながっていましたが、第3の波の時代になると生産者(プロデューサ)と消費者(コンシューマ)は人格的に再統合される結果、マネーが関係性の中で成り立つエコマネーへと質的変容をきたしていく可能性が出てきたことが重要です。

スマートメーターの導入は電力の全面自由化への要請を強める方向に働く

2010-08-12 06:43:29 | Weblog
スマートメーターが各家庭に入り、電力使用量などの様々な情報がデータセンターへ蓄積され、さらに顧客情報の分析サービスが開始されるようになると、顧客情報は誰のものかという議論が出てきます。また、顧客情報は個人情報そのものですので、プライバシー保護の問題を解決するための明確なルール作りが必要となります。
また、電力の全面自由化への要請が強まることも考えられます。そもそも、日本において電力自由化が低圧・小容量の家庭を対象にしてこなかったのは、メーターコストが高く、社会全体で経済的なメリットがないことが理由の一つでしたが、そのような障害がなくなります。