エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

ミシガン州などでもスマートグリッドは「メルトダウン」が続出

2010-08-29 07:41:47 | Weblog
コロラド州スマートグリッドシティの「メルトダウン」という報道について、以前このブログでご紹介しましたが、アメリカでの類似のケースとしてミシガン州などの例を紹介したいと思います。ミシガン州の公益事業委員会は、電力会社であるコンスーマーズエネジーに対して、スマートグリッドの事業規模を5年間で9億ドルから4億ドルにするよう命じました。これにより、Wimaxを使用したGE製のスマートメーターの配備等が縮小されるのではないかとの危惧が広がっています。
このようにアメリカの州ごとの公益事業委員会の動きとして、スマートメーター、スマートグリッドのプロジェクトに対して、電気料金への転嫁を認めないという姿勢が目立ってきています。メリーランド州の公益事業委員会は、ボルティモア電力ガス会社に対して、電気料金を上げることなく9億ドルのスマートメーター配備を進めるように命じました。また、ハワイ州の公益事業委員会は、ハワイ電力のスマートグリッドのプロジェクトに関して、電気料金の値上げを却下しました。こうした中、電力会社を始めとする関係の企業は、「ビジネスモデル」の再構築に迫られています。
こうした公益事業委員会の動きとともに、スマートメーター、スマートグリッドに関する電力会社をめぐる厳しい環境として、スマートメーターに関する訴訟の提起があります。カリフォルニアの電力会社であるPG&Eとテキサス州の電力会社であるオンコーは、スマートメーターの計測による電気料金徴収が過大であるとして住民から訴訟を提起されています。
このように、「ユーザ」や「ビジネスモデル」が不在なまま連邦政府による34億ドルの支援を当て込んで進めてきたアメリカのスマートメーター、スマートグリッドのプロジェクトの一部に関して、問題が顕在化しているというのが実情です(こちらをご覧ください)。これから、スマートコミュニティ実証事業を進める日本としては、「他山の石」として多くの教訓を学ばなければなりません。