エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」(シリーズ;中国におけるエネルギークラスターとエコシティの建設)

2010-12-15 05:54:16 | Weblog
中国では、エネルギークラスターの形成も進んでいます。その一つである遼寧省錦州市は、07年8月「国家火炬(たいまつ)計画」(1988年8月にスタートしたハイテク産業の開発、振興を目的とする一大国家プロジェクト。主な対象は新素材、バイオ、電子・情報、光・機械・電子一体化、新エネルギー、高効率省エネ、環境保全など)で太陽電池産業基地として認可された後、「太陽電池産業発展規画」(08~12年)を制定しました。
同市の「太陽電池産業基地建設に関する実施意見」では、太陽電池産業を強化し、産業チェーンを拡大し、太陽電池製品の市場展開に今後の産業指導の重点を置き、中国最大のシリコン材料生産基地を目指すとしています。現在、同市には太陽電池関連メーカーが23社あります。多結晶、単結晶、シリコンウエハー、太陽電池とそれに関連した材料などの製造・加工企業の進出により、産業クラスターが形成されつつあります。
また、中国では全国30都市で「生態城」(エコシティ)の建設が進められていますが、その一つ天津市では、シンガポール政府と共同で、野心的な「生態城」(エコシティ)の建設が進められています。計画では、10~15年以内に、天津市浜海区内30平方キロメートルの敷地に環境、資源の有効利用、社会の調和を重視した人口20万~30万人のニュータウンを建設します。これは、シンガポールのHDBフラット(公営住宅)をモデルとしており、中心部に池など湿地帯固有の自然を配置し、川や水路をエコ回廊と位置付ける計画です。また、街を4つの主要地域に区分して軽便鉄道で結び、通勤、通学距離を短くします。
 (株)日本総合研究所は、再生エネルギーなどに関するコンサルティング経験を生かし、同開発事業の目標とする環境に配慮した都市作りに向けてアドバイスを行っています。同事業では、①再生可能エネルギーの使用率20%、②一般ごみの無害化処理100%、③廃棄物のリサイクル率60%などの約20の環境指標を定めており、こうしたした指標を達成できるようアドバイスを行っています。いずれ、スマートグリッドの構築も射程範囲に入ってくるものと思われます。三井住友銀行と日本総合研究所が天津市からの委託を受けて、日本企業の進出をサポートしています。