昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

キュウソネコカミ

2024-09-11 08:12:46 | 日記
米ワールドトレードセンター等に、ハイジャックされた飛行機が突っ込んだテロから23年目の今日。
そして逆に402年遡った1599年には、ローマにおいて法に基づく死刑が執行されました。
罪状は尊属殺人(父親殺し)。阿片を酒に混ぜ、昏睡したところを撲殺。

罪人は被害者長男、後妻、使用人と、首謀者とされた次女ベアトリーチェ・チェンチ。長男は四つ裂き、後妻とベアトリーチェは斬首。
被害者のフランシスコ・チェンチは超富裕貴族であり・・・数多の暴力や不道徳的問題行動を引き起こし、その度、圧倒的な金の力で乗り越えてきた人物として有名でした。そして彼の最大の被害者は、家族と使用人たち。

娘2人は父親から、性的虐待を日常的に受けていた可能性が高く、教皇に内密に相談し、多額の持参金により嫁ぐことに成功した長女は漸く難を逃れますが、面白くないフランシスコは、残りの家族を僻地の小さな城に軟禁、虐待は激しさを増したようで。

再度教皇に密告するも取り合ってもらえず、最終手段として「父親殺し」を計画。酔った勢いで城から落ちた設定でしたが、その計画や行動自体かなり杜撰であったのは、貴族生まれの彼女らの、ある意味純粋さが垣間見える気がします。

戦う、隠れる、逃げるという生物としての基本選択肢なら、全てを捨てて逃げるという選択もあったのですが、貴族という生活能力弱者故、敢えてそれを選択しなかったのか、社会の枠に囚われ、そもそも思いつかなかったのか、いずれにせよ自らの既存生活の維持と驚異の排除を選択。

事情を熟知する教皇クレメンス8世は、彼女らを助けようとはしませんでした。法に背いた咎人を許すことは、法を司るトップとしてできなかったのか、それとも・・・刑執行後、チェンチ家の莫大な財産は教皇の手に渡ったとか。

法を護るは正義、破れば悪。捕えられれば法に則った罰を受けるのが、秩序を維持するためのルール。「悪法もまた法也」は至極当然です。

ならば、正統な手段での請求が黙殺され、罰を受ける覚悟をもって、納得できない法を破る行為は是か非か。

僕の口は、答えを述べることのできない卑怯者であります。










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