昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

雨の露三郎

2024-09-01 07:59:29 | 日記
流石、二百十日というべきか。農家の厄日だけあって、昨日は風は無いものの豪雨により、この地区にも久々に避難指示が出されました。

一夜明けた雨上がり。遊歩道を散歩していますと、街路の植え込みに一本だけ、ぴょこんと飛ぶ出ていたツユクサの姿がありません。
あれ?どうしたのかな。まさか昨日までの雨で溶けて流れたとか・・・露だけに・・・思い切り外した自覚はあります。

いやいや、物理的にそんなことはないでしょう。ならば、ボクが見ていたツユクサは幻想?いやもしかしたら「ツユクサの神様」だったか・・・

親の鉱山の仕事で二百十日の9/1に転校してきた6年生の三郎少年。1~6年生まで1クラスの小さな学校の生徒たちは、能力があり皆と違う考え方をする「異邦者」に興味を覚え、自文化の既存の知識である「風の神様」と同質化させようとしたりしする宮沢賢治「風の又三郎」。

やがて己の文化に対し、影響を及ぼしかねないと感じ始めると、友好的から一変、既存文化同属者による団結を示し、異分子の排除に動く。

徐々の変化は行きつ戻りつ時間がかかり、目に見える成果のインパクト感は乏しく、急な変化はインパクト大なれど、内部の秩序の崩壊、混乱をもたらす・・・時間とエネルギーは共役関係にありますから、どちらも等価なのかもしれませんが。

三郎から聞いた「風の神様の歌」の夢を見て飛び起きた折からの台風接近の日、予感がして学校へ行った一郎が耳にしたのは、矢張り三郎が前日転校した話でした。

チカラに任せた変革を進めようとしてきた、昨今のこの国のやり方が続くか否か・・・分水嶺期に来た気もします。