昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

契約若しくは約束、又は誓い

2022-08-28 07:56:14 | 日記
絶対見ないでと約束した機織りを覗かれた鶴は去り、話したら殺すと言われた吹雪の夜の話を妻にした男の許を、雪女だった妻は去りました。

後継ぎの弟殺しの嫌疑をかけられたエルザを、白鳥が曳く小舟に乗ってきた騎士が救います。
身元や名前を決して尋ねないことを条件に、エルザの夫となり領地を護ることを騎士は誓い、彼女はこれを承諾。

エルザの失脚を画策する者が流す騎士の謂れのない黒い噂に、抑えようない騎士への疑惑と不安を募らせた彼女は夫になった騎士に素性を問い詰めてしまいます。
「聖杯を守護する円卓の騎士の息子、ローエングリンだ」と告げ、彼女のもとを去る騎士。白鳥は彼女を失脚させようとした女の魔法で姿を変えられていた弟でした。

他に居場所を見出せない社会構造と同時に、洋の東西を問わず、約束や誓いを反故にすれば全てを失う、そういった文化的に刷り込まれた、ある意味オカルト的な心理的支配が無条件の受け入れを自らに課し、カルトの盲目的な絶対的信者の維持を可能にさせているのかもしれません。

ただし、証明不可能なものを根拠に持つ以上決して否定しきれない分野でもあることも念頭に置くべきかと。
また「反社会性」という錦の御旗も、本質的には法治国家という同様に虚構である秩序を維持するための二重の虚構に過ぎないのですから。

1850、8.28、ワーグナーのオペラ「ローエングリーン」が初演されました。