先週、カウント・ベイシー楽団の多忙さを話題にしたが、ジャズ界には何時寝ているのだろうと追跡調査をしたくなるプレイヤーがいる。例えばポール・チェンバース。ジャズを聴きだした頃、ジャズのベーシストはチェンバースしかいないのかと思ったものだ。田舎のジャズ喫茶もどきには大名盤しかなかったので、ほとんどのレコードに判で押したように「Paul Chambers (b)」のクレジットがあった。
まず、モダンジャズ史上の最高傑作「Kind of Blue」、ジャズ喫茶で毎日かかる「Cool Struttin'」に「The Scene Changes」、1957年録音でレコード番号1577の「Blue Train」、「I Remember Clifford」が今でも眩しい「Lee Morgan Vol.3」、流麗なフレーズに圧倒される「Art Pepper Meets the Rhythm Section」、2本のトロンボーンでリスニングルームが揺れる「The Great Kai & J. J.」。そして、そのベースラインの本領が発揮されるのはピアノトリオだ。ガーランドのブロックコードが心地良い「Groovy」に、真夜中の空気感を味わえる「Kelly At Midnight」、ロイ・デ・カラヴァの写真に引き込まれる「Kenny Drew Trio」、何と、秋吉敏子のアメリカ・デビュー作「The Toshiko Trio」もサポートしている。
Vee Jay のリーダー作「Go」はデータによると1959年2月2日から3日にかけてNYの録音だが、3日には先だって話題にしたキャノンボールの「In Chicago」に参加している。当時はマイルス・バンドにいたので、シカゴはツアーの途中だ。NYからシカゴは直行便で2時間とはいえスタジオへの移動時間を入れると眠れるのは飛行機のなかだけだろう。ピアニストやシンガーなら楽譜集を鞄に詰めて身軽に移動できるが、ベーシストはそうはいかない。よりによってコンボ編成では一番大きな楽器である。目立たないベーシストは縁の下の力持ちに譬えられるが、文字通り体力がなければ務まらない。
チェンバースがデトロイトからNYに出てきたのは54年で、翌55年6月10日の「Bennie Green Blows His Horn」を皮切りにこの年だけでエマーシーの「Julian "Cannonball" Adderley」、ケニー・クラーク「Bohemia After Dark」、「Introducing Jimmy Cleveland」、「Introducing Nat Adderley」、ドナルド・バードの「Byrd's Word」に参加している。69年1月4日に33歳で亡くなる前年にはバリー・ハリスやジョー・ヘンダーソンのセッションに参加している。デビューから一度も信号機に黄色も赤も灯ることはなかった。
まず、モダンジャズ史上の最高傑作「Kind of Blue」、ジャズ喫茶で毎日かかる「Cool Struttin'」に「The Scene Changes」、1957年録音でレコード番号1577の「Blue Train」、「I Remember Clifford」が今でも眩しい「Lee Morgan Vol.3」、流麗なフレーズに圧倒される「Art Pepper Meets the Rhythm Section」、2本のトロンボーンでリスニングルームが揺れる「The Great Kai & J. J.」。そして、そのベースラインの本領が発揮されるのはピアノトリオだ。ガーランドのブロックコードが心地良い「Groovy」に、真夜中の空気感を味わえる「Kelly At Midnight」、ロイ・デ・カラヴァの写真に引き込まれる「Kenny Drew Trio」、何と、秋吉敏子のアメリカ・デビュー作「The Toshiko Trio」もサポートしている。
Vee Jay のリーダー作「Go」はデータによると1959年2月2日から3日にかけてNYの録音だが、3日には先だって話題にしたキャノンボールの「In Chicago」に参加している。当時はマイルス・バンドにいたので、シカゴはツアーの途中だ。NYからシカゴは直行便で2時間とはいえスタジオへの移動時間を入れると眠れるのは飛行機のなかだけだろう。ピアニストやシンガーなら楽譜集を鞄に詰めて身軽に移動できるが、ベーシストはそうはいかない。よりによってコンボ編成では一番大きな楽器である。目立たないベーシストは縁の下の力持ちに譬えられるが、文字通り体力がなければ務まらない。
チェンバースがデトロイトからNYに出てきたのは54年で、翌55年6月10日の「Bennie Green Blows His Horn」を皮切りにこの年だけでエマーシーの「Julian "Cannonball" Adderley」、ケニー・クラーク「Bohemia After Dark」、「Introducing Jimmy Cleveland」、「Introducing Nat Adderley」、ドナルド・バードの「Byrd's Word」に参加している。69年1月4日に33歳で亡くなる前年にはバリー・ハリスやジョー・ヘンダーソンのセッションに参加している。デビューから一度も信号機に黄色も赤も灯ることはなかった。
1936年にアイシャム・ジョーンズが作曲した「ゼア・イズ・ノー・グレーター・ラブ」は、自身の楽団でヒットしました。ヴォーカル、インストとも多くの録音があります。今週は「ノー・グレーター・ラブ」と略して呼ばれることもあるこの曲のお気に入りをホーンでお寄せください。ピアノ・ベストは2015年10月11日の拙稿「スウィング時代のリーダーを育てたアイシャム・ジョーンズ」をご覧ください。ヴォーカル・ベストは機を改めて話題にします。
管理人 There Is No Greater Love Horn Best 3
Miles Davis / Miles - The New Miles Davis Quintet (Prestige) 通称 小川のマイルス
Sonny Rollins / Way Out West (Contemporary) 通称 カウボーイのロリンズ
Paul Chambers / Go (Vee Jay) 通称 信号機のチェンバース
マイルスは「Four & More」でも取り上げております。他にもルー・ドナルドソンをはじめスタン・ゲッツ、スタンリー・タレンタイン、チャーリー・ラウズ、デクスター・ゴードン等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
"There Is No Greater Love" - Janusz Muniak Quartet
https://www.youtube.com/watch?v=biB_lvqNTEw
ポーランドのテナーといえば、この人ヤヌシュ・ムニアク
キース・ジャレットになり切れないピアニストがいいね
早いものでもう12月・師走。時の経つのが何とも早いこと・・・引き算するとオヤジの残された時間は?
ミスターPCのベストアルバムって?もしこんな設題だったらdukeさん御紹介盤「go」も筆頭候補。ジャケットが『秀逸』素晴らしい!勿論23才のPCそして一緒の演奏メンバーも!
①Paul Chambers / Go (Vee Jay)
中味もジャケットもと内面外面とも良い盤!そしてお題曲「There Is No Greater Love 」ミスターPCのウオーキングベースが心地よい。ソロ部もミスターPCの弓弾き無し!好感です。
② Coleman Hawkins /Night Hawk(Prestige)
・2管盤。ホーキンスは勿論!相性抜群なフラナガン!ツーマッチなロックジョーのテナーも良い香辛料に!
③Charlie Rouse/ Yeah! (epic)
・ラウズの1管盤。このラウズ・・・好きです。
変わったところでは「Jones Brothers/ Keepin' Up With The Joneses(metrojazz):ジョーンズ3兄弟がお題曲を演ってます、サッドが良い味出してます 」
他にも「晩年ゲッツの名盤」「若きS・ハミルトン盤」「ロリンズ盤」・・好演揃い!
こちらは一段と寒くなりました。キャバレー・ミカド跡で営業しているキリンビール園本館が来年9月末で閉店することが発表されました。ススキノも変わります。
ミスターPCのベストアルバムとなるとブルーノート盤と迷いますが、これもベスト3入りは間違いないでしょう。この曲はキャノンボールがよく歌っておりますし、主役も絶好調です。アルコは賛否両論がありますが、私はポール・チェンソーは嫌いです。ジャズのベースはピチカートに限るというのが持論です。
コールマン・ホーキンスもありましたね。B級扱いのエディ・ロックジョーですが、ソロは力強いですね。エンディングは残念です。
そして、チャーリー・ラウズ。私もこのレコードは大好きです。この曲もいいのですが、ステラが強烈です。「BAR81」というジャズバーがススキノにありますが、私のためにこのレコードを置いてあります。
ジョーンズ・ブラザーズがありましたか。探してみましょう。
映画「探偵はBARにいる3」を観てきました。札幌を舞台としたエンターテイメント映画ですが、素直に面白かったです。お題の方ですが、ヴァージョンが多かったですが、
Miles Davis / Four & More (Columbia)
Sonny Rollins / Way Out West (Contemporary)
Gene Ammons=Sonny Stitt / Boss Tenors (Verve)
マイルスのものは、小川を挙げるべきだと思いますが、このライブが大好きなので、この曲に続くテーマ演奏がまた興奮もので、マイルスのトランペットに被るハンコックのピアノが最高です。ちょっと脱線気味ですみません。
ロリンズのものは、レイ・ブラウンのソロが聴けますが、チェンバースやサム・ジョーンズなど、この曲はベース奏者にとってもやりがいがあるのでしょう。三つめは、楽しいバトルを。スインガーでアモンズ、スティットが楽しませてくれました。
個人的にこの時期はステラが恋しくなるんです。
冬の星空は素敵ですね。
Charlie Rouse/ Yeah! (epic)
ラウズを一番に推薦! これ、両面ともに最高です・・ エピック盤・・良い盤がありますよね、音も良いと思っています、マイルスもロリンズもポーチェンも今回は遠慮してくださいませ・・
「探偵はBARにいる3」をご覧になりましたか。地元の私より早いですね。撮影場所が身近というのは嬉しいです。連日満席ですので、落ち着いてからと思っています。
トップに「Four & More」がきましたか。私は迷わず小川を挙げましたが、これもいいですね。ライブならではの迫力とMCが最高です。ハンコックの非凡さも捉えております。小川のマイルスは、「The New Miles Davis Quintet」というコンボ名に惹かれます。
次にロリンズ。アドリブの極致ともいえるフレーズに圧倒されます。ピアノレスという編成で思いっ切り暴れておりますね。ジャケットで思わず笑えるレコードです。
そして、アモンズとスティットがきましたか。軽やかなスティットと、ズーズーのアモンズのテーマ交換がいいですね。
こちらは冬の寒空ですが、ステラが心地いいですね。DAY BY DAY のレッスン生もこの曲をよく歌いますが、テンポはラウズを手本にしろと助言しております。
エピック盤といえばマイケル・ジャクソンのスリラーという恐ろしいヒットアルバムがありますが、ジャズは渋いところが並んでおります。フィル・ウッズにレイ・ブライアント、ハーマン・フォースター、ジョニー・コールズ、デイブ・パイク、話題にしたいレコードばかりです。
There Is No Greater Love Horn Best 3
Miles Davis / Miles - The New Miles Davis Quintet (Prestige)
Sonny Rollins / Way Out West (Contemporary)
Charlie Rouse / Yeah! (Epic)
名演揃いで割れましたが、マイルスでは 「Four & More」、他にもポール・チェンバースをはじめコールマン・ホーキンス、ジーン・アモンズ&ソニー・スティットが挙がりました。甲乙つけがたい素晴らしい演奏ばかりです。今宵はお気に入りの「ゼア・イズ・ノー・グレーター・ラブ」をお楽しみください。