デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

2011年ジャズ初め

2011-01-02 08:03:32 | Weblog
 皆様、あけましておめでとうございます。昨年は半年のアップに終わりましたが、多くの方にご訪問いただきありがとうございました。新規にコメント欄に参加されたかたもおり、こだわりのジャズ観が飛び交い賑わいました。ブログは自己満足の世界ですが、やはりコメントをお寄せいただくのが嬉しいですし、それが一番の励みになります。6年目に入るアドリブ帖ですが、今年も昨年同様、毎週日曜日更新を目標にしておりますのでよろしくお願いします。

 さて、今年の初聴きはどのアルバムでしたでしょうか。ここ数十年きまって「マレロのサンライズ」と呼ばれている「世界は日の出を待っている」に針を落とすのが年明けの習慣でしたが、今年はボビー・ハケットの「コースト・コンサート」を選びました。ビッグTことジャック・ティーガーデンと組んだ小編成のディキシーバンドですが、華やかで明るい演奏は新年に相応しい活力に漲っております。多くのビッグバンドで重宝されたハケットですが、端正なソフト・プレス奏法は小編成のバンドでソロが長いほどその魅力を最大限に発揮しますし、常に最高の音を追求する姿を最高の1年でありたいという想いに重ねたくなります。

 「ベイズン・ストリート・ブルース」や「マスクラット・ランブル」等、ディキシーランド・ジャズのスタンダード中心ですが、とりわけ素晴らしいのは「ザッツ・ア・プランティ」です。1914年に作られた曲ですので、ほぼ1世紀経ちますが、今尚色褪せない原色の輝きと美しさを持ったメロディ、そしてスウィングというジャズの核心ともいえるビートとリズム感を兼ね備えております。ハケットとティーガーデンの対話はお互いを尊重しながらときに熱く激しく、ときにユーモアを交えてディキシー・ジャズの魅力を伝えてくれます。今ではほとんど演奏されない曲になりましたが、「ビートが詰まった素晴らしいもの、それがジャズさ、ジャズの命さ」という歌詞の一節がこの曲とジャズの全てを語っているでしょう。

 そんな素晴らしいジャズの魅力を今年も宝箱から取り出します。モダンジャズを中心にディキシー、スウィングからフリージャズ、ヴォーカルまで幅広く話題していきます。メジャーな作品は出尽くした感がありますが、まだまだ聴かずに死ねない名盤、奇盤、珍盤はそれこそプランティです。ベスト企画にかかわらず、どしどしコメントをお寄せください。一人のプレイヤー、一枚のアルバムから広がるジャズ・ワールドをお楽しみいただければ幸いです。

コメント (18)
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