本立寺 亀井日映上人

2006年07月10日 | Weblog
 今日は横浜本立寺の開導会で先代の亀井日映上人の御一周忌があわせて勤められました。佛立宗の第二十三世講有(管長)野日丞上人が導師で、大勢の教務(僧侶)講務(信徒)が故・上人のお徳をしたってお参りされました。
梅雨時でしたが、少しパラパラと始まる前に降った程度で、さすがにお計らいを頂かれました。
 以下は、私が挨拶のとき、述べた内容です。

 私が最初、亀井日映上人にお出値いしたのは、静岡本要寺先住の中野日裕上人の一周忌か三回忌の時だったと思います。私は師匠の随行でしたが、ご供養場への移動で亀井上人の車に乗せていただいたのです。そのとき、「あんたは大学でしっかり仏教学の勉強をして宗門のお役に立つように」といわれました。
 次にお側で親しくお話しをさせて頂くようになりましたのは、約20年前、当時、佛立教育専門学校長の御奉公をなさっていたとき、私に声がかかり学校教員として招聘されました。いまだに教員として、曲がりなりにも勉学をつづけさせて頂いているのは亀井上人のお蔭です。
 とにかく、上人は当宗教学の泰斗として、いままで野崎御講尊上人とご一緒に佛立教学の正統を守ってこられましたことは、実に多大なるご功績です。さらに扇全の刊行事業にも寄与され、また、門祖聖人の御聖教の研究と学校で後進の教育指導をなさいました。特に一帖抄の研究については第一人者であられ、また、開導日扇聖人の「祖書要迪」の研究についても大部の著書があり、その一部が間もなく刊行される予定です。昨年、ご遷化の間際に刊行が決定され、それを御講有からじかにお聞きになって、寂光へのお土産としてご遷化なさいました。
 とても真面目な方ですが、大変機知に富んでおられサービス精神が旺盛な一面がありました。私ども遠妙寺の御会式には何度もお越しいただきました。その御法門を聴聞させていただきますと、ユーモアに富んでいて、ずっとお腹を抱えて笑ってしまい、ご信者も喜んでおりました。(寄席より面白い)
 約10年前、私がまだ上座講師なのに、教務局から上座講師の修学塾のテキストを書くようにいわれ、亀井上人のご指導を仰ぎました。
 私が「今年は、自分で書いたテキストを元に自分が作成した問題で受験して受かったら、いかにもインチキくさいから辞めておきます」と上人に申しあげますと、上人はうーんと頷かれて、
「でもね、あんた、自分が出した問題で受験して、落っこっちゃったらどうなるの?」と聞かれ、ギャフンとなりました。
 亀井上人には教学だけでなく、いろいろ教えて頂いたことがありますが、感銘を受けたことを一、二述べますと、
①私は今年3月31日、5年間の任期を終えて佛立研究所々長を定年退職しましたが、15年前、つまり平成3年に研究所は設立されました。設立される前は、宗門になかった新しい組織が誕生するのですから、なかなか産みの苦しみがありました。上人には設立準備委員として、多大なるご奉公をいただきました。
 中でも、よく覚えていますのは、研究所の行く末を案じられて規約や細則などを一条、一条、熱心にご検討いただいたことです。
 また、ある時は、委員会がありましたとき、病み上がりでしたのに、また足の痛みが相当あられたと思いますが、その激痛をおして杖を突いて京都までお越しいただき、御奉公してくださいました。大変に有難かったことを鮮明に記憶しています。
②次に、野崎日丞上人と亀井日映上人とはお若い頃からご学友として同志として共に野口日壤上人の学室で机を並べておられたとお聞きしております。
 そして最初に亀井上人、次に野上人と続いて佛立教育専門学校の校長先生の御奉公をなさいました。いつも学校でも仲良くしておられ、その友情は誠に深いものがあったと存じます。
 特に忘れられないのは、野日丞上人が御講有ご晋位の時、亀井上人がこんな嬉しいことはないと我が事のように、あるいはそれ以上に手放しで喜んでおられた御姿です。私はそこに、本当の友情というものを教えていただいた気がいたします。
開導聖人は「我身を下りて人を立て、徳は人にゆづりて苦労は我に引うくるやうにするを、本因妙と申候」とお示しですが、亀井御導師というお方は、教学でも実際の御奉公面でも、その生き方でもこの本因妙ということを追求し、目指されていたのかなあ‥‥‥‥そんな気がいたします。
 御住職・日魁導師はじめ教講一同が上人のご遺志を継がれ本立寺様がますます御弘通隆昌をなされ、奥様はじめご家族がみな、お健やかに今後ともお過ごしになりますよう祈念してご挨拶とさせていただきます。
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