どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

S・キューブリック、浮き彫りにするドキュメント鑑賞

2019年11月09日 23時59分59秒 | 映画
アップリンク吉祥寺にてカップリング上映。

「キューブリックに愛された男」(S is for Stanley)2016年・イタリア
「キューブリックに魅せられた男」(FILMWORKER)2017年・米国

邦題だとまるで連作シリーズみたいですが、全く別企画の作品のようです。

一方はひょんな事から出会い、雑用と言ったらなんですが、キューブリックさん個人や家庭全般の世話係を務めたエミリオ・ダレッサンドロさんの証言。

もう一方は、俳優デビューした頃キューブリック作品に出会い惚れ込んで、遂には重要なスタッフにまでなったレオン・ヴィターリさんの証言。

2本それぞれのインタビューにより、プライベート・仕事の両面からキューブリックとはどのような人物であったのかを炙り出す構成になっている面白いプログラムになっています(^_^)

エミリオさんは映画自体に興味がない人で、キューブリックさんの人となりも知らなかったみたいで、その実直な人柄が気に入って側に置くようになった...その経緯と関係に人間くささが滲み出て、彼の飾り気無く淡々と語るエピソード一つ一つが可笑しさを伴って時にクスクスと笑ってしまうという(*^o^*)

付き合うのが大変だったと時に愚痴まじりになるのですが、事細かで数多く飛んでくる指示書の一例見るだけでも変人振りが垣間見れました。イタリア出身のエミリオさんは50歳を越えた頃、職を辞して国に帰りたいと申し出るですが、あれやこれやの手を尽くし、思うようにさせてくれない...キューブリックさんが掛け替えなく思う気持ちが凄まじいのです(^_^;

レオンさんは好対照で、「バリー・リンドン」に出演し、ブリンドン子爵(あぁ!あの人か!?とビックリしました(^_^;)という主演・ライアン・オニールさんを決闘までしちゃう大きな役を射止め、俳優として開かれた未来をアッサリ投げだし、映画製作の裏方に転身し、以後キューブリック作品の裏方として縁の下の力持ち的な存在となる人物。飾り気ない人柄が見ていて好感をもてて、「シャイニング」の時に子役のダニー・ロイドさんの子守的な役目が微笑ましく印象に残りましたね(^_^)

両者ともにそれぞれ紆余曲折を経て、キューブリック作品最後の「アイズ・ワイド・シャット」まで関係は続きます。

2本続けて見ることによって、S・キューブリックの謎多い人となりを立体的に感じ取ることができたし、新たな発見や面白いエピソードを知ることができて、鑑賞できて良かったなぁと思いました(*^o^*)

アップリンク吉祥寺のハコは29席のミニシアターではありますが、濃ゆそうなファンでほぼ満席!前売り券はネット予約ができないので、もしかしたら完売で観られないかも...と焦りましたが、なんとか末席を確保できた次第。

みんな2本続けて観る人ばかりでしたね(^_^)

パンフももちろん購入。

真っ黒で長方形...そう、モノリスを模しているワケですね〜!

このパンフも2本を一冊にまとめていて、両A面のようにページが上下反転しているという凝った装丁になっています。

こんな仕掛けまで!

それぞれ情報量が多いので、手元においてジックリ繰り返し観たい...DVD・Blu-rayもカップリングでリリースしてくれないかなぁ...。




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