80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

東京新美術館「ルノアール展」を観て

2010年01月30日 | シニア日記
よくぞ日本中のルノアールの作品を集めましたナ。
箱根ポーラ美術館の絶大な協力(17点の提供)の外、
日本全国から収集した絵は全展示品85点の60%近い比率を占めます。

展示場のルノアールに関する解説を読んで、「その人となり」も良く判りました。

仕立て屋の父、縫子の母の家庭に生まれ、13才から磁器の絵付けの仕事で働いています。
19才でやっと画塾に入りましたが、肖像画ばかり描いて糊口を凌いでいたと言う事です。

彼の絵が女性の衣装に優れ、且つ静物の良さにもこの経験の下地があったのですね。

ルノアールは幸福を描いた画家であると言われ、暗さや翳のある絵は殆んどありません。
輝く様な光と色彩。透明感のある色調、輪郭線の無いぼんやりと優しい感じの姿。


晩年リウマチの持病で、車椅子の生活を余儀なくされたのですが、
全くそのような苦しみを画調には一切出していません。素晴らしいものです。

最後のコーナーでは、絵にX線や赤外線を当てて、技術的分析の説明がありました。
絵具の種類がエメラルドグリーンだとか、ヴィリジアンだとか(いずれも緑)、
又、絵の具の使い方、塗り重ねがあるとかどうとか・・・・。かなり専門的です。

然し、私等素人は難しい事はさて置いて、絵を直感的に、主観的に眺めて、
楽しく、且つ感興感動を受ければそれで良いのではと考えて居ります。

じっくりと観ていると確かに癒される感じですね。
日本にルノアールの信望者が多い理由も良く判ります。


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