"Salir con un domingo siete”は日本昔話の「こぶとり爺さん」とそっくりだったが、日本の爺さんのこぶはほっぺたにある。
ところが、コスタリカの昔話"Salir con un domingo siete”に登場する男(「年寄り」とは書かれていない)のこぶはほっぺたではなく、喉にあるのである。
この話の中で「こぶ」を表すスペイン語は‟güecho”(グエチョ)であるが、この語は小学館「西和中辞典」には掲載されていない。‟güegüecho”ならある。意味は「甲状腺腫を患っている」の他に「愚かな」という意味もあった。「こぶ」とは書かれていないが、調べてみると、甲状腺腫を患うと喉にコブができるようで、昔は喉に大きなコブを持つ人がかなりいたようである。
ところで、岩波文庫の「ラテンアメリカ民話集」(三原幸久編訳)には、コスタリカの民話が3編取り上げられているが、いずれも‟Los Cuentos de mi Tía Panchita”に収録されているものである。この話もその中の一つである。参照してみたら、「コブ」と訳されていた。
ちなみに、タイトルの "Salir con un domingo siete”は「あらずもがなのことば」と訳されていたが、「余計なことをするな」とか「要らんことをすな!」の方がインパクトがあるかと思う。
それはともかく、解説も丁寧に書かれているので、一読をお勧めする。
前回、 "Salir con un domingo siete”には「思いがけず妊娠する」という意味もあると書いたが、「コブ」がお腹にできたという解釈なのだろうか。
【お知らせ】
2022年5月25日に国書刊行会より拙訳本「コスタリカ伝説集」‟Leyendas Costarricenses”が刊行されます。ちょっと値は張りますが、よろしくお願いします。
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ところで、岩波文庫の「ラテンアメリカ民話集」(三原幸久編訳)には、コスタリカの民話が3編取り上げられているが、いずれも‟Los Cuentos de mi Tía Panchita”に収録されているものである。この話もその中の一つである。参照してみたら、「コブ」と訳されていた。
ちなみに、タイトルの "Salir con un domingo siete”は「あらずもがなのことば」と訳されていたが、「余計なことをするな」とか「要らんことをすな!」の方がインパクトがあるかと思う。
それはともかく、解説も丁寧に書かれているので、一読をお勧めする。
前回、 "Salir con un domingo siete”には「思いがけず妊娠する」という意味もあると書いたが、「コブ」がお腹にできたという解釈なのだろうか。
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