呼びかけの言葉もペルーにはメキシコやコスタリカにはない用法がある。見知らぬ男性に呼びかける時は、丁寧に“Señor”といえば無難であるし、これはどこでも通じる。
日本語には「おじさん」という呼びかけ方もあるが、これはトルコ語にもあるらしい。コスタリカでは“tío”(uncle)を見知らぬ男性に対する呼びかけには使わなかった。メキシコでも聞いたことがない。ところが、ペルーには日本語の「おじさん」のような用法があるのである。“Tío”という呼びかけは筆者も実際に耳にしたことがある。ただし、筆者はこう呼びかけられたことはない。まだ30代だったこともあるし、日本人は外国人には年よりもずっと若く見られるということもある。
ペルーの先住民の社会では親族以外の男性にも「おじさん」と呼びかけるのは普通なのだろう。ケチュア語とかアイマラ語で普通に使われている表現をスペイン語にも持ってきたのではないだろうか。
ところで、日本語では「おばさん」、「おにいさん」、「おねえさん」のように親族名称を見知らぬ人に対する呼びかけに用いるが、ペルーでは“tío”以外の親族名称による呼びかけは聞いたことがないが、“tía” 「おばさん」という呼びかけはありそうである。
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