Third Star
Directed by Hattie Dalton
Produced by Kelly Broad, Vaughan Sivell
Written by Vaughan Sivell
2010 UK
ジェイムズ→J マイルズ→M デイヴィー→D ビル→B
()内は原作より補足しています。
ジェームズはウトウトと夢を見ています。
森の中で目覚め、最後の誕生日パーティ、手術の傷跡など過去がフラッシュバックします。
そして、モルドールのような暗いバラファンドル湾。
そこで目が覚めるジェームズ。
あまり眠れなくなっているジェームズはひとりテントから這い出し、気分転換に海を見つめます。
自分は何のために存在するのだろうか。
そんな事を考えていたジェームズの頬に涙が伝います。
その時、後ろからマイルズが近づいてきます。
M:大丈夫か?
J:ああ。
デイヴィーが焼け跡から荷物を探っていました。
ビルがふざけて歌っているとデイヴィーが怒りだします。
D:これは誰のだ?
デイヴィーの手にはコンドームがありました。
B:俺だよ。マイクのカバーに使うんだ。水中のイルカの音を録音するときとか結構使えるんだ。
D:すごいな。使うときがあるのかわからないけど、感謝するよ、ビル。
今夜食べる豆がないぞ。
豆は便秘解消になるからとジェームズが医者に勧められていたものでした。
B:食べるものならいっぱいあるぞ。
D:俺の心配をしているんじゃないぞ!
M:やめろよ。
D:やめる?何を?この旅をか?
おまえらふたりがダラダラしてるから俺が苦労するんだ。
J:感謝してるよ、デイヴィー。
D:そうか、よかった。
J:なんでそんなに必要とされたがるんだ。
D:俺がそんなふうに見えるのか。そんなんじゃない。
J:すごく感謝してるよ・・・だけど僕がいなくなったらお前はどうする?
D:そんなの知らないよ、ジム。
J:そうだよな。お前は仕事を失うまでは不満を言いながらも仕事に没頭してた。
そして今は僕の世話に没頭してる。
M:家に帰ったら俺がカウンセリングしてやるかお前はら、今は笑って過ごそうぜ。
J:責めてるんじゃない、心配してるんだ。お前の・・・
M:「レゾンデートル(存在意義)」とか言ったら俺は自殺するからな。
J:うるさい、マイルズ。これは・・・
M:嫌気がさした?退屈したか?
ここでビルがマイルズを頭をはたきます。
J:お前はどうしたい?何がしたい?どんな特別なものを探してる?
B:ジェームズ、彼は大丈夫だから。お前、少し辛辣だぞ。
J:人生は配られたカードで精一杯努力して勝負するものなんだ。
M:人生を紅茶に例えたのも良かったが、これはまた絶妙だな。
J:マイルズ、茶化すのは簡単だけど、僕は怒ってるんだ。お前ら全員にだ!
J:僕は死にたくない!
もっと時間がほしい。もっと生きたいんだ。
お前らが無駄に人生を消費するなら僕がもらう。
もっと生きるはずだった。価値のある人生にするつもりだった。
思い上がりなのはわかってる。
M:そうだな。
J:お前には吐き気がする。
M:よせ。俺は人生を楽しんでる。
ガンだからといって自己中心的になる言い訳にはならない。
なぜお前は特別なんだ?
J:そうか、お前は僕は作家として成功するとは思っていないんだな。
M:知らねーよ!そうだろう!
だが俺の父親は俺たちの年で本を3冊書いた。
お前はいいものを書くけど、結局ただ座ってただけだ。立ち上がるのは痛みを伴うからな。
マイルズの言葉にデイヴィーが責めるように見ます。
M:何だよ。俺を殴りたいか?小便たれの太鼓持ちが。
くだらねえ。
D:俺たちはお前の秘書じゃねえぞ。お前がどんなに憎まれ口をたたいたって逃げねえからな。
M:俺は事実を言ったまでだ。
D:わかってるよ!だがなぜだ?なぜお前はそんなにひどい事を言うんだ?
お前は残酷なだけだ。他に言い方があるだろう。
M:病気だから、死ぬから何も言うなって?
よし、デイヴィー、俺にエイズをくれ。ビル、狂犬病でもいいぞ。そうしたら好きな事を言えるんだろう。
マイルズの言葉にジェームズは、
そうだ、怒りを吐き出すよりも言わなければならない事があったはずだと考えました。
M:何だよ、お前ら!
こんな事している場合じゃないだろう。俺たちは思い出話をしながら笑って過ごすんじゃないのか・・・
ジェームズは今がその時だと口を開きます。
J:お前の小説を読んだ。
それを聞いたマイルズが固まります。
J:読んだんだ。何年も前に書いたやつだ。
マイルズは無言のまま、海岸のほうに立ち去ります。
海岸に行ったまま戻ってこないマイルズを迎えに行くジェームズ。
デイヴィーとビルも少し離れた場所で様子を伺っています。
M:いつ読んだんだ。
J:2年前に。お前が何か書いてたのは知っていたんだ。
それでお前のコンピューターを探してみたら案の定そこにあった。
完成してた。
それをコピーして持ち帰ったけど悔しくて読めなかった。
でも病気になってどうしても読みたくなって・・・・
許してもらえるとは思ってないし、お前は絶対に許さないよな。
M:告白したかったのなら電話するだけで済んだじゃないか。
そうしたら俺はお前のところに行ってジョーズを見ながら話をして、
お前は病気じゃないふりをしてくれればそれでよかったんだ。
J:でも僕は病気なんだ!
M:だからだよ!お前が死んだら、俺が殺されてもお前は知ることもないじゃないか!
話したって何も変わらない。誰もがやるような自分を見つめる旅だって無駄なんだ。
もう2度会えないんだったら本音も言えやしない。
J:マイルズ、謝らなくていいから・・・・
M:お前みたいな傲慢な男に誰が謝るか!俺は正しい!俺たちに謝罪なんて必要ない。
何を行っても5分後には何も言わなくても元通りだ。そこが肝心なんだ!
J:お前の小説・・・
M:うるさい。
J:よかったよ。
M:お前、旅の間に考えていた言葉がそれか?自分でも嫌にならないか?
マイルズの悪口にも笑顔で受け流すジェームズ。
マイルズの照れ隠しだとわかっていました。
M:ありがとう。
その言葉にどこか安心したような表情のジェームズ。
M:失敗は怖くないよ。今はもう。
J:わかってる。
マイルズはきっとあの作品を出版してくれるだろうとジェームズは思っていました。
M:俺の父親は・・・
J:うん。
M:今はお前が唯一俺が認める・・・
J:うん、わかってる。
M:人の話、聞けよ。
そう言いながら笑いあうふたりでした。
B:ジムは大丈夫だよ。モルヒネの飲みすぎなだけだって。
今朝も俺の事ロバートって呼んでたし。
マイルズとジェームズが戻ると既に出発の準備が整っていました。
彼らはふたりの様子を見ただけで何も言わずすぐに出発します。
続きます。
Directed by Hattie Dalton
Produced by Kelly Broad, Vaughan Sivell
Written by Vaughan Sivell
2010 UK
ジェイムズ→J マイルズ→M デイヴィー→D ビル→B
()内は原作より補足しています。
ジェームズはウトウトと夢を見ています。
森の中で目覚め、最後の誕生日パーティ、手術の傷跡など過去がフラッシュバックします。
そして、モルドールのような暗いバラファンドル湾。
そこで目が覚めるジェームズ。
あまり眠れなくなっているジェームズはひとりテントから這い出し、気分転換に海を見つめます。
自分は何のために存在するのだろうか。
そんな事を考えていたジェームズの頬に涙が伝います。
その時、後ろからマイルズが近づいてきます。
M:大丈夫か?
J:ああ。
デイヴィーが焼け跡から荷物を探っていました。
ビルがふざけて歌っているとデイヴィーが怒りだします。
D:これは誰のだ?
デイヴィーの手にはコンドームがありました。
B:俺だよ。マイクのカバーに使うんだ。水中のイルカの音を録音するときとか結構使えるんだ。
D:すごいな。使うときがあるのかわからないけど、感謝するよ、ビル。
今夜食べる豆がないぞ。
豆は便秘解消になるからとジェームズが医者に勧められていたものでした。
B:食べるものならいっぱいあるぞ。
D:俺の心配をしているんじゃないぞ!
M:やめろよ。
D:やめる?何を?この旅をか?
おまえらふたりがダラダラしてるから俺が苦労するんだ。
J:感謝してるよ、デイヴィー。
D:そうか、よかった。
J:なんでそんなに必要とされたがるんだ。
D:俺がそんなふうに見えるのか。そんなんじゃない。
J:すごく感謝してるよ・・・だけど僕がいなくなったらお前はどうする?
D:そんなの知らないよ、ジム。
J:そうだよな。お前は仕事を失うまでは不満を言いながらも仕事に没頭してた。
そして今は僕の世話に没頭してる。
M:家に帰ったら俺がカウンセリングしてやるかお前はら、今は笑って過ごそうぜ。
J:責めてるんじゃない、心配してるんだ。お前の・・・
M:「レゾンデートル(存在意義)」とか言ったら俺は自殺するからな。
J:うるさい、マイルズ。これは・・・
M:嫌気がさした?退屈したか?
ここでビルがマイルズを頭をはたきます。
J:お前はどうしたい?何がしたい?どんな特別なものを探してる?
B:ジェームズ、彼は大丈夫だから。お前、少し辛辣だぞ。
J:人生は配られたカードで精一杯努力して勝負するものなんだ。
M:人生を紅茶に例えたのも良かったが、これはまた絶妙だな。
J:マイルズ、茶化すのは簡単だけど、僕は怒ってるんだ。お前ら全員にだ!
J:僕は死にたくない!
もっと時間がほしい。もっと生きたいんだ。
お前らが無駄に人生を消費するなら僕がもらう。
もっと生きるはずだった。価値のある人生にするつもりだった。
思い上がりなのはわかってる。
M:そうだな。
J:お前には吐き気がする。
M:よせ。俺は人生を楽しんでる。
ガンだからといって自己中心的になる言い訳にはならない。
なぜお前は特別なんだ?
J:そうか、お前は僕は作家として成功するとは思っていないんだな。
M:知らねーよ!そうだろう!
だが俺の父親は俺たちの年で本を3冊書いた。
お前はいいものを書くけど、結局ただ座ってただけだ。立ち上がるのは痛みを伴うからな。
マイルズの言葉にデイヴィーが責めるように見ます。
M:何だよ。俺を殴りたいか?小便たれの太鼓持ちが。
くだらねえ。
D:俺たちはお前の秘書じゃねえぞ。お前がどんなに憎まれ口をたたいたって逃げねえからな。
M:俺は事実を言ったまでだ。
D:わかってるよ!だがなぜだ?なぜお前はそんなにひどい事を言うんだ?
お前は残酷なだけだ。他に言い方があるだろう。
M:病気だから、死ぬから何も言うなって?
よし、デイヴィー、俺にエイズをくれ。ビル、狂犬病でもいいぞ。そうしたら好きな事を言えるんだろう。
マイルズの言葉にジェームズは、
そうだ、怒りを吐き出すよりも言わなければならない事があったはずだと考えました。
M:何だよ、お前ら!
こんな事している場合じゃないだろう。俺たちは思い出話をしながら笑って過ごすんじゃないのか・・・
ジェームズは今がその時だと口を開きます。
J:お前の小説を読んだ。
それを聞いたマイルズが固まります。
J:読んだんだ。何年も前に書いたやつだ。
マイルズは無言のまま、海岸のほうに立ち去ります。
海岸に行ったまま戻ってこないマイルズを迎えに行くジェームズ。
デイヴィーとビルも少し離れた場所で様子を伺っています。
M:いつ読んだんだ。
J:2年前に。お前が何か書いてたのは知っていたんだ。
それでお前のコンピューターを探してみたら案の定そこにあった。
完成してた。
それをコピーして持ち帰ったけど悔しくて読めなかった。
でも病気になってどうしても読みたくなって・・・・
許してもらえるとは思ってないし、お前は絶対に許さないよな。
M:告白したかったのなら電話するだけで済んだじゃないか。
そうしたら俺はお前のところに行ってジョーズを見ながら話をして、
お前は病気じゃないふりをしてくれればそれでよかったんだ。
J:でも僕は病気なんだ!
M:だからだよ!お前が死んだら、俺が殺されてもお前は知ることもないじゃないか!
話したって何も変わらない。誰もがやるような自分を見つめる旅だって無駄なんだ。
もう2度会えないんだったら本音も言えやしない。
J:マイルズ、謝らなくていいから・・・・
M:お前みたいな傲慢な男に誰が謝るか!俺は正しい!俺たちに謝罪なんて必要ない。
何を行っても5分後には何も言わなくても元通りだ。そこが肝心なんだ!
J:お前の小説・・・
M:うるさい。
J:よかったよ。
M:お前、旅の間に考えていた言葉がそれか?自分でも嫌にならないか?
マイルズの悪口にも笑顔で受け流すジェームズ。
マイルズの照れ隠しだとわかっていました。
M:ありがとう。
その言葉にどこか安心したような表情のジェームズ。
M:失敗は怖くないよ。今はもう。
J:わかってる。
マイルズはきっとあの作品を出版してくれるだろうとジェームズは思っていました。
M:俺の父親は・・・
J:うん。
M:今はお前が唯一俺が認める・・・
J:うん、わかってる。
M:人の話、聞けよ。
そう言いながら笑いあうふたりでした。
B:ジムは大丈夫だよ。モルヒネの飲みすぎなだけだって。
今朝も俺の事ロバートって呼んでたし。
マイルズとジェームズが戻ると既に出発の準備が整っていました。
彼らはふたりの様子を見ただけで何も言わずすぐに出発します。
続きます。