That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Stuart: A Life Backwards その10

2015-06-14 18:08:45 | Stuart: A Life Backwards

2007 UK
Director: David Attwood
Writer: Alexander Masters

ラストです。

アレクサンダーはラジオを聞きながらキャンペーンの後片付けをしています。

Tシャツを袋に詰め外に出し部屋に戻るとラジオからスチュアートの名前が聞こえてきます。
「今朝、ケンブリッジ近くで電車にはねられた男性の死亡を警察が明らかにしました。
男性はスチュアート・ショーター、33歳。ウォータービーチ出身です。」
検死官の情報によると検死が行われるということです。」

アレクサンダーは急いでスチュアートの母親に電話をします。

後日、スチュアートの葬儀が営まれました。

自殺だったのか?
わからない。遺書はなかったし。
わかっているのは彼が11時15分にケンブリッジからキングズ・リンに向かう電車の前に踏み出したことだけだ。


神父様が聖書を読んでいます。
「あなたは世に打ち勝ったと神は言いました。
スチュアートのこの世での人生が終わり、彼の遺体を地に委ねます。
土は土に、灰は灰に、塵は塵に。
永遠の命への復活を信じつつ。To our Lord Jesus Christ, Amen.」

埋葬のあと、ホームレスの仲間たちが賑やかにスチュアートを送ります。
翌朝、お母さんが散らかったゴミを片付けています。

そして。

冒頭の場面に戻り、車の中でアレクサンダーがカセットテープを聞きます。
スチュアートが遺したテープでした。

S:「ハロー、アレクサンダー。スチュアートだ。」
A:「ハロー、スチュアート。」
S:「いろいろ飲んだりしたことは認めるけど俺の兄ちゃんや仲間のことを考えずにはいられなかった。
俺を信用していなかったし、気にもかけていなかった。
虐待。
11歳に要求することなど誰も思っていないような事をやるように言われた。
だから頭突きをしただけだ。

あんたがどれだけ話してもみんなはさらに疑うだけだ。
誰も俺の話に耳を傾けない。
俺の中に酒を流し込んでから俺自身と変な会話をしながらここに座ってる。
自分を切断したり、自殺したり、張本人たちを追い詰めたりそんな話だ。
横になって死にたいだけだ。
俺はすごく汚くて恐ろしくて憎くて、俺が近くづとみんな攻撃してくる。
一度でいいからこの狂気から脱出したいと思うよ。」



そして3年後。

2005年4月にようやく本が出版された。
本屋のショーケースに並んでいるのはダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」ですが、
アレクサンダーはこっそりとケースの中に忍び込み真ん中の一番目立つところに自分の本を置きます。
「Stuart a Life Backwards 」というタイトルでした。


スチュアートもこの本を気に入ったと思う。

The End



拙訳どころか誤訳ばかりで本当にすみません。
せめてもう少しちゃんとした日本語で訳せる事が出来ればもっときちんと伝わったのかもしれませんが・・・
原作を読めばもっと詳しく書かれていると思います。が、残念ながら日本語訳では出ていないようです。

スチュアートは自殺だったのか事故だったのか今でもわからないそうです。
アレクサンダーと出会って少しでも救われたように思うのですが、
それ故にこんな結末を選んだのかもしれませんね。

それにしても、
性的虐待は本当に残酷です。
レイプなんて、殺人と同等の重罪にしてほしいとさえ思っています。
力づくでねじ伏せられるほど人間の尊厳を傷つける行為はないです。

そんな経験をわずか9歳で受ける事になったスチュアート。
力でねじ伏せられた経験がねじ伏せる側にまわってしまう事も多々あるようです。
兄弟に対する怒り、家族に対する怒り、そして世間に対する怒り。
怒りにまかせて暴力をふるったあとに部屋ごと自分を焼こうとしてしまうのは、
自分でもどうにもできない事がわかってるんでしょうね。
最後にアレクサンダーと出会ってほんの少しでも幸せを感じてくれていた事を祈るばかりです。

話は変わりますが日本でもおなじみのビッグイシューという雑誌は英国が発祥ですが、
スチュアートはビッグイシュー販売の最初のメンバーのひとりなんだそうです。
ビッグイシューの背景
http://www.bigissue.jp/about/background.html

と、こちらは英語ですが実物のアレクサンダーとスチュアートのお話が写真入りで掲載されています。
妹さんのお話もあります。
http://www.bigissue.com/features/2861/stuart-life-backwards-staging-compelling-story
こちらがアレクサンダーさん。


DVDには特典映像もついていますがインタビューは既にYoutubeにたくさんありますよね。
特にトムハとベネディクトのインタビューはかわいくて大好きです。
Tom Hardy & Benedict Cumberbatch about Stuart a life backwards
内容がハードだっただけにこの笑顔がすごく和みます。



内容が重すぎて終わったあとは何だかちょっと私もどよーんとしてしまったので
気分を変えようと可愛くて面白し場面を集めたダイジェスト版を作っちゃいました。
我ながら思いついたらやらずにはいられないこの性格を何とかしたいです・・・
生意気にも字幕なんぞをつけてみましたが、なかなか難しいですね字幕合わせるのって。
しかもスチュアートが「僕」って言ったりアレクサンダーが「あんた」とかになってます。すみません。。。
画面とともに字幕つけると訳の間違いもあからさまになってしまいますが気にしなーい気にしなーい(ヤケ)
かわいい場面だけ、と思ったのですがラストだけまるっと入れちゃったので、笑いあり涙ありの動画になりました。
約10分ありますのでご覧になる方は覚悟してください。
Digest of Stuart A Life Backwards

それでは、この辺で終わります。
下手な訳を最後まで読んでくださって本当に本当にありがとうございました。

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様でした!! (Misty)
2015-06-15 23:32:21
こんばんは。
ハードな内容の(笑いもアリではありますが…)訳、本当にお疲れ様でした!

前回からいろんなことが明らかになってきて、それまでΓどうしてなのかな?」と思ってたことが分かって繋がってきて、かなり辛い内容になってきましたが、一方で飄々としてる部分もあるので、スチュアート、たくましいな…という気もしていたのですが、こういう結末とは…そして、実話だというのが、本当にやるせないです。

でも、テープのメッセージを見ていると、今まで誰も自分の話に耳を傾けてくれなかったけど、アレクサンダーは本当に関心を持って聞いてくれて、そして信じてくれたことは、きっと嬉しかったんだろうな…とも思います。育った環境も性格も全然違う二人だけど、不思議な信頼関係と友情が育ったんですね。でも、それでもスチュアートの中に根を張ってしまったものは消せなかったのが、切ないです。

それにしても、本当にいろんな問題を考えさせられる意義のある映画だと思うし、そのうえベネさんすごくいい味出してるのに、ホントにどうして日本で出ないんでしょうね~?!

あ、動画はまだ見られていないのですが、またPCを使えるときに見させていただきます。可愛い場面、楽しみです♪
返信する
Re.お疲れ様でした!! (dico)
2015-06-16 21:24:39
Mistyさん
こんばんは~
わー、早速ありがとうございます!!

私もこんな思い内容だとは思わなくて・・・本当にこんな結末と、これが実話だと思うと胸が痛いですね。

もう少し早くアレクサンダーと出会っていれば、
もしかしたら違った結果になったかもしれないですが、
それでも幸せなひと時があったということが彼の救いになっていれば、と願わずにはいられません。
そもそもの原因は実の父親なんじゃないかという気もします。
子どもの前でも母親に暴力をふるっていたみたいだし、
そんな光景を見せられて育った子供に良い影響なんてあるはずもないですよ。
その影響がギャビーからスチュアートにいってしまったのかも、などと思ったりもします。

このドラマに出てくる様々な問題はイギリスだけではなく世界共通の問題だと思うので、
本当にぜひどこかで放送ないしDVD化とかしてほしいですよね。
映画とはいえテレビ映画だからなのかしら。
しかし、今これを世に出さなくていつ出すんでしょう!!

動画、ありがとうございます~。
ビールであたふたする場面とかがっつり入れましたよ(笑)
PCを使えるときにぜひ見てくださいね~。
返信する
動画見ました! (Misty)
2015-06-16 21:46:43
こんばんは~
動画見ました。ビールの場面、あんなに泡が盛大に出ちゃってるとは!笑いました。そして、なんて可愛いんですか!!サンドイッチをめくるところも~!ありがとうございます!

公式トレーラーでは良く分からなかったのですが、スチュアートの動き、なんだか怪しげでしゃべり方はぼそぼそ言ってて、ホントに聞き取りにくいです。改めてお疲れ様です。トムハの演技力もすごいですね。

字幕まで付けられるなんて、dicoさんすごいです~私が聞き取れた限り、ちゃんと合ってるように思いましたよ。スチュアートのセリフは、私も一回聞いただけでは結構厳しいです。

あ、それから、その4でdicoさんが曲名分からないっておっしゃてたのは、この動画の中で一緒に歌ってるやつですか?あれは、Babybirdというイギリスのバンドの「You're Gorgeous」という曲のようです。1996年の曲みたいだから、年代的にも合います?これです↓

https://www.youtube.com/watch?v=MIQRZn-JvPs

最後のテープを聞いてるところは、やっぱりスチュアートの言葉とアレクサンダーの表情が一緒に見られると、さらに胸に迫りました。これは、せひせひDVDをゲットせねば!と思いました。紹介してくださって、本当にありがとうございました!
返信する
Re.動画見ました! (dico)
2015-06-17 20:16:28
Mistyさん
こんばんは!
わーい、ありがとうございます!
ビールの場面とかサンドイッチとか、ぜひぜひ動画で見て欲しくて頑張りました~
字幕のチェックもありがたいです。ちょっと安心しちゃいました。

スチュアート、やっぱりMistyさんでも難儀しちゃいましたか。
私は字幕ファイルを見ながらだったので何とかなりましたが、
誰が何をどこまで言ってるのかの記載はないのでかなり厳しかったです。

そして、曲名!わー!!ありがとうございます。そうそう、これです、これ。
結構最近の曲なんですね。はっ、最近とか言うとトシがバレる・・・

ラスト、ベネさんはこういう演技も本当にうまいなーとしみじみ思います。
落ち着いたらぜひDVDでご覧になってください^^
返信する
こんばんは (Sih)
2015-06-27 00:07:02
dicoさん、こんばんは
お久しぶりです(^^)

毎日、拝見しておりました。

この、テレビ映画。
私の中で『詳細不明』だったので
本当に嬉しいです♪
ありがとうございます(*^^*)

しかし、重い内容だったんですね。。。
私、イギリスにはホームレスの人なんていない。
と、昔は思ってました。
でも、ああいう国だから尚更、貧富の差ってあるんでしょうね。

友人の娘さん、『もう二度とイギリスには行けない』
と言うので、なぜか聞いたら
ものすごく物価が高かったそうです。

そんな中、シャーロックのDVDBOXを2シーズン分 買ってきたのだから
よほどハマったんでしょうね。
嬉しいです。仲間が増えるのは

では、また。
返信する
Re.こんばんは (dico)
2015-06-27 22:07:27
Sihさん、
わー、こんばんは!お久しぶりです。
スチュアートも読んでくださったんですね、ありがとうございます!

本当にかなり重い内容でしたよ。
英国も含め欧州は結構貧富の差がありそうですよね。
ホームレスも多そうですがその分福祉も充実している印象です。

イギリスの物価は本当に高いみたいですね。
最近、ロンドンのホテルを調べていたのですが高くてびっくりしました。
手ごろなお値段のところもありましたがその分狭いんです。
東京のビジネスホテルの方が全然広いんじゃないかと思うくらい狭いし、
冷蔵庫もないしエレベータもないホテルが多かったです。
話しが逸れましたが、お嬢さん素晴らしいですね~
世代を超えて?シャーロックのお話ができるなんて羨ましいです。
仲間が増えるのは嬉しいですね!
返信する
記事をアップしました (Misty)
2016-07-10 00:28:57
こんばんは。
やっと感想をアップしました。でも、そんなにたくさん感想書いてるわけではないし、dicoさんのリンクをリストにすると10まであるし、ひとのふんどしで相撲を取るとはこのこと?!な感じですが…

スチュアートのセリフはホントに聞き取りにくくて、私も今回気になった部分を何度か聞いてみても分からないことが多かったです。少しだけ補足させてもらってもいいかな・・・?と思う所は、その部分のコメント欄に書かせてもらおうかと思ってますが、今夜出来るか分からないので、とりあえず先にご報告だけ…

とにかく、改めて本当にお疲れ様でした!と言いたいです。英語字幕もない、スクリプトも間違いがいっぱい…の状態でここまでがんばってくださったdicoさんの根気は並大抵のものじゃないですよ。
返信する
Re.記事をアップしました (dico)
2016-07-10 00:43:55
Mistyさん
再びこんばんは~
本当についさっき、Mistyさんのところにいって、まだ更新されていなかったので戻ってきたばかりだったんです。
ニアミスだったんですね。
早速お邪魔してしまいました。
全部、リンクされていてびっくりです。大変でしたでしょ。お疲れさまでしたー。そしてありがとうございます。
そして、ぜひぜひ補足してください!ありがたいです。
あもちろんいつでも良いので都合のよい時でもお願いできればと思います。

これは本当に大変だったというか、もう半ばヤケになっていました(笑)
もうこんな根気は私の中には無いですー、と言いつつ今ファンフィクの訳にかなり苦しんでいます。
私ってMだったのかしら・・・・
返信する

コメントを投稿