明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



人形制作の開始早々、つまり頭部の制作初め、これが憂鬱とまではいわないが楽しくはない。架空の人物はともかく、実在した人物の場合、無事に完成する気がしないのである。さすがに長い間作って来たので、結局いずれは無事完成するだろう、とは思うのであるが。それでも作り始めはいつもこの調子である。そして一日、二日でなんだか調子がよく、この段階ですでに◯◯に見えるじゃないか、などというときはまず間違いなく駄目である。それを知っているので、作り始めは機首を上げないように、低空飛行で進めていく、大事なのは調子が地震計のように上下せず、なるべく滑らかなラインを描きながら上がってくることである。そして頭部ができたら完成も同然。ポケットに頭部を入れてK本にでかけ、常連に披露したりして。どうです?などと、たとえば三遊亭園朝の首を見せられても、何もいいようがないだろうけれども。 そういえば噺家の旦那に圓朝を継がせたがった女房がいたが随分大胆である。それは旦那を双葉山にしようというような話であろう。

HP



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