明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



完成間近の建長寺の開山、大覚禅師こと蘭渓道隆は、建長寺のサイトに載っている重文の座像とは別人の趣きで、私如きが違を唱えるかのようだが、実像を伝えていると判断した肖像画自体、建長寺の収蔵物であるから問題はない。肖像画以外はおそらく死後の制作であり、レントゲンなどの調査結果も踏まえてのことでもある。 出来ればこれを人間大、もしくはそれ以上のサイズに拡大してみたい。立像で50センチ前後の像を作る私には、写真が拡大するためのツールとなった。私自身がそれを一番見てみたい。 はるか昔、私が写真を始めておらず、仕事でスタジオでカメラマンに撮られるのを見ながら、人形ではなく、もっと人間として撮って欲しいと腹の中で思うことが多々あった。その頃裸電球の真下で、作業台の手回しろくろの上の人形を、見上げるように作っていた。人間を見下ろすことはあまりない。 人間大、あるいはそれ以上に拡大された視線と目が合った時、そこまで作った覚えがない、という奇妙な感じは、作者だけのものである。



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