明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先週に続き、またやってしまった。今日は3時開廊のところ12時に到着。1時半まで多摩川の土手をブラブラするも間が持たず。まだ仕込み中の焼き鳥屋へ。 飯沢耕太郎さん来廊。私がオイルプリントの試作を始めたのはまだ20代であったが、技術的に参考にした大正、昭和のはじめの文献とは別に、当時の日本の芸術写真の状況を知るに最適だったのは飯沢さんの『芸術写真とその時代』(筑摩書房)であった。リアリズム写真の波に押され、姿形もなくなってしまった世界である。知りたかったことが書かれており夢中になって読んだ。当時住んでいた板橋の図書館に、講座かなにかで見えるのを知り、自転車ででかけ、ドアの丸い窓からご尊顔を拝して帰ってきたことがある。 当時まだたいした画が出ず、相談する人もおらず、一人苦闘していた。当時のことを覚えている友人に今回会うことができたが、感慨深げであった。 人形制作を放って、ただやってみたいというだけで始めたオイルプリント。こんなことをしている場合ではない、と思いながら止められなかった。人は頭に浮かんだことは作らずにはいられない。といったのは脳科学者の養老猛氏だったか。思えば私は幼い頃から、この仕組みに苦しめられ続けている。 長い付き合いの編集者と飲む。私は人形制作を含め、とりあえず必要な技術はおおよそ身につけた。これからだよ。というと呆れて笑っていだが、彼はまだ私のことが良く判っていないようである。会期は9日6時まで。 

石塚公昭個展『ピクトリアリズムⅡ』
2015年4月25日(土)〜5月9日(土)

没後50年『谷崎潤一郎展』谷崎像出品

神奈川近代文学館 4月4日~5月24日

 

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )