オイルプリントは罪悪感にかられながらも人形制作を放って熱中した。ただやりたかっただけなので、1カット納得したら止めると決め、実際止めた。再開したのは、自分の作品を撮影し発表するようになった後のことである。熱といえばひどかったのが、イベントでバレエを一回観ただけで、ロシアバレエの天才ダンサー、ニジンスキー、コクトー、ディアギレフでしかもオイルプリントで個展をしてしまったことである。過ぎたことだから良いようなものの、冷や汗ものである。 ギャラリーに色々な意味で断られた『三島由紀夫へのオマージュ展 男の死』も今となればやってよかった。どこからか、何が来たところで、未発表とはいえ、三島本人が死の一週間前まで、腹に出刃包丁刺して死んでる魚屋などを自ら演じて撮影させていたのを知っていたからどうということはない。 熱が原因で多少冷静さにかけてしまったとしても、やれてしまえば結構なことである。 来年、某所での個展の話がある。今まで隅田川の東側ではほとんどお呼びがかからなかったが、そこは場所柄、ハラワタはみださせた三島などは展示できないが、展示可能な作品は写真も含め、できるだけ展示しよう、という企画である。架空のジャズマンから熱に浮かされた物を並べて披露する機会はそうないであろう。頭部しか残っていない作品は胴体を作らなければならないし、谷崎潤一郎で個展を、というのも土俵際で捨てきれないでいるが、週末には決めることにしたい。
没後50年『谷崎潤一郎展』谷崎像出品
神奈川近代文学館 4月4日~5月24日
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