明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



撮影用の小物を探す場合、富岡八幡の骨董市、知人の骨董商、ネットオークションを利用することが多いが、制作の合間に、居ながらにして入手できるオークションは大変助かる。しかもおおよそ骨董市より安く、こんな物はまさかないだろう、という少々怪しげな物も見つかるから驚くのだが、本日届いたのは、検索したら一つだけヒットした、デッドストックの古い水中メガネである。800円。戦前物ということだが、ゴムの部分は今は見かけない、おそらく川端康成が最後にくわえたであろう、かつてガス管等に使われていた、古くなったニンジンみたいな色のゴムである。ゴムは経年で劣化してしまうものだから、どこにもヒビ割れがなく、紐の部分の柔軟性を考えると、戦前物というのは信じられないのだが、未使用は間違いのない、素朴で趣のあるものである。ポイントはやはりゴムの色であろう。
場所があれば三島由紀夫で個展をやってみたいと考えている。ただ少々血なま臭いことになりそうで、江戸川乱歩の時のように、どれだけ切断死体が並んでいようとも、どこか笑えるような調子というわけにはいかない。よって場所を選ぶことになるだろう。 三島で水中メガネといえば『潮騒』ということになる。

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