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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

連鎖  


実家から帰ると、知人から雑記のシンクロニシティとはなんだとのメールが数通。 それでは差し障りのないところをかいつまんで。先日の話に戻る。  かつて澁澤龍彦責任編集の『血と薔薇』という雑誌があった。三島が聖セバスチャンを演じ、篠山紀信撮影の『聖セバスチャンの殉教』と海辺で横たわるカットの『男の死』と題された作品が掲載されていた。それを担当された編集者の方と、明日お会いすることになり、そのことを知人に話すと、知人は昔、横尾忠則がリサ・ライオンとのコラボや、その『聖セバスチャンの殉教』を見ながら三島を描いているとき、スタッフとして横で見ていた。しかも今日、十年以上ぶりに連絡したところだという。 偶然というのは重なるもので、その晩インターネットで三島の書簡がアメリカで発見され、そのなかに未発表の『聖セバスチャンの殉教』の別カットがあり、一ヶ月前、東京で競売になったことを知る。口からは血が滴り、下半身を覆う白布がない。40年ぶりの新発見ということになる。 朝になり、結局編集者の方の都合がつかず、後日ということになった。 食事でもしようと出がけにポストを見ると、世田谷文学館より『堀内誠一展』のお知らせ。堀内誠一とはまさに『血と薔薇』のアートディレクターで、海辺の撮影の時、下半身を隠す三島に、全裸になるのを要求した人物である。なんとも不思議な一日であった。  知人は横尾忠則に近々会うというので、拙著『乱歩 夜の夢こそまこと』を渡して欲しいと頼んだ。大人向け乱歩を始めて読んだのは講談社の全集で、その挿絵は、未だに竹中英太郎作品とならぶ傑作だと考えている。サイトを見たら、今、近代文学者のシリーズを描いているというので、だったら『ObjectGlass12』もと、先ほど知人に託したところである。

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