『小説家など実在した人物像を作り、被写体として写真作品を制作してきたが、22年に作家活動四十周年記念として『Don’t Think, Feel!寒山拾得展』を開催。寒山と拾得、虎に乗った豊干禅師、仙人などを作った。以後こうした説話上の架空の人物を制作していくことを決めていたが、ある時、蘭渓道隆(大覚禅師)の生前に描かれたという肖像画を目にした。臨済宗では師の肖像画(頂相)を卒業証のように与え、それを師の教えそのものとした。多くの肖像写真、肖像画をもとに制作してきたが、禅師の頂相は、そのいずれとも成分のまったく異なるものを感じ、立体化して撮影してみたいと思うようになった。 高校生のころブルース・リーの映画『燃えよドラゴン』で“Don’t Think, Feel!“(考えるな感じろ)という言葉を知ったが、創作を続けてきて感じたままにいくほうが結果がよいことに気付いていた。それは人間も草木同様自然物、肝心なことはあらかじめ備わっているからではないか?肝心なことが、己の中にいるという仏なのかは私には判らないが、今はそれが一番の関心事である。』
※諸事情により作品配置は明日早朝より開始となります。
