◇ランボー ラスト・ブラッド
きわめて残念だった。
観なけりゃよかったとすらおもった。
もともとランボーはベトナム帰還兵の心の闇についての物語で、結局のところ、その悪夢から解放されることはないっていう悲劇なんだが、それでもアメリカの理想を求めていくっていうところで、ときにたったひとりで叛乱したり、ベトナムへ乗り込んでいったり、イラクにまで辿り着いたりして、そこで自分が戦うのはアメリカのためではなく自由のためだったんだって自覚したのがビルマだったていう筋書きだったはずが、なんとも、個人的な戦いを最後にしちゃうのはどうよ。
イヴェット・モンレアルが父親を探して、それがもとで誘拐されて、売り飛ばされて、麻薬漬けにされて、売春婦として悲劇的な境遇に置かれたばかりか、ランボーが捕まって頬を斬られたときにさらに見せしめとして頬も傷つけられ、結局、救出されたものの、ランボーの車の中で悲劇を迎えることで、ランボーの闘争心と復讐心が燃え上がるって展開はわからないでもないんだけど、ランボーを助けることになった妹を拉致された新聞記者パス・ベガとの関係がいまひとつ中途半端なままいつのまにやら忘れられるってのは、あかんだろ。
これは撮り直しだな。
スタローンはこういうことがよくある。いやまじ『ロッキー5』とおんなじだ。