◎江戸川乱歩の陰獣(1977年 日本 116分)
監督/加藤泰 音楽/鏑木創
出演/あおい輝彦 香山美子 若山富三郎 大友柳太朗 加賀まりこ 桜町弘子 野際陽子 倍賞美津子
◎乱歩物の傑作
乱歩の『陰獣』を初めて読んだのはいつだったんだろう?
たぶん、中学の3年だったんじゃないかっておもうんだけど、その前に女性向けの週刊誌に漫画が連載されてて、それはたしか『陰獣』っていうタイトルじゃなかったような覚えがある。楳図かずおだったか、もしかしたらちがってるかもしれないんだけど、最後まで読みとおした記憶はない。
ま、そんなこんなで、なんでかしらないけど、ぼくはこの映画を封切で観た。
おもしろかった~!
なにより、
「ああ。お静さんがそんな事を…」
とおもった。
銭形平次の恋女房お静と小山田六郎夫人静子が重なり、なんともいえない倒錯的な感じになったもんだ。なるほど、こういう効果を狙った香山美子のキャスティングだったのか~とかって当時はおもったわけです。それはともかく、当時のあおい輝彦はとってもバタ臭くて、神経質な役がよく似合ってた。
乱歩作品はたいがい映像化は失敗してて『陰獣』も何度か映画化されてるけど、どれもこれも好かない。
そういう中では、この作品は出色の出来映えなんじゃないかと。