朝日新聞デジタル2012年6月12日 ディーゼル排ガス「発がん性ある」 WHOの研究機関
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は12日、ディーゼルエンジンの排出ガスについて「発がん性がある」と認定したと発表した。これまでの「おそらくある」から1段階引き上げ、明確な関連性が認められる最も危険な分類とした。
フランス・リヨンで12日まで開いた作業部会で、専門家が全会一致で決めた。アスベストやヒ素と同じ分類になる。部会のクリストフ・ポルティエ委員長は声明で「説得力のある科学的根拠がある。ディーゼルの排ガスは人間に肺がんを引き起こすと結論づけた」と述べた。
ディーゼルの排ガスに含まれるすす成分は、粒子状物質(PM)と呼ばれ、発がん性が指摘されてきたものだ。そこで欧州諸国ではディーゼル車の排ガス基準を強化し、自動車メーカーもPM排出の少ない新型エンジンを開発。「クリーンディーゼル」として定着している。
だが、IARCは「(PMの減少が)直ちに健康にどう影響するのかはさらなる研究が必要」と強調。旧型のエンジンに取って代わるには時間もかかり、途上国ではそうした技術入手も難しいとした上で、「世界中で、こうした排ガスを減らすべきだ」と警告した。(アテネ=前川浩之)
http://www.asahi.com/health/news/TKY201206130520.html
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます