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空前のカラコンブームで若者の目が危ない

2014年09月29日 | 化粧品

東洋経済オンライン2014年09月26日掲載) 2014年9月26日(金)配信
空前のカラコンブームで若者の目が危ない
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/toyo-20140926-48872/1.htm

島 大輔 :島 大輔しまだいすけ 東洋経済編集局記者

 まるで整形手術を施したかのように、化粧後の顔を美しく見せる「整形メイク」。若い女性を中心にブームとなっており、関連書籍の出版も後を絶たない。数あるメイク技術の中でもポイントとなるのが、目をいかに大きくきれいに見せるか。そのためのマストアイテムが、カラーコンタクトレンズ(カラコン)だ。

明るい色に染めた髪に、青や茶色、グレーなど色とりどりのカラコンを装着した目。インターネット上では、若者に人気の女性タレントを起用した華やかなカラコンの広告が目に止まる。

■市場全体は縮小傾向

2013年度の国内コンタクトレンズ市場は、前年比3.7%減となる1985億円だった(民間調査会社GFK調べ、店頭小売りベース)。1日使い捨てタイプの増加によって平均単価が下落したことで、金額ベースでは小幅ながら減少傾向にある。

そうした中で、カラコンは中高生など若年層を中心に利用者の割合が増加している。日本眼科医会が高校生を対象に行った調査によると、2009年に0.4%だったカラコンの使用率は2012年には3.3%まで拡大している。

2009年11月から製造販売において厚生労働大臣が指定する「高度管理医療機器」としての承認が必要になったカラコン。国民生活センターによると、2009年に10品目以下だった承認品は、2013年には300品目程度に増加している。

 

空前のカラコンブームで若者の目が危ない

「整形メイク」の必須アイテムに潜むワナ

しかし、カラコンをファッション感覚で使用する若年層が増えるとともに、適切に使用しないことによる眼障害の危険性も高まっている――。日本眼科学会と日本眼科医会が主催する日本眼科啓発会議は、こう警鐘を鳴らす。

眼障害を生じやすいのは、酸素の透過性が比較的低いカラコンの不適切な使用だ。装用時間、サイズともに、医師の処方なしにカラコンを使用することには危険が伴うが、一般ユーザーの中には意識が低い人も少なくない。

どのような問題が起きるのか

カラコンによる眼障害に詳しいウエダ眼科理事長の植田喜一医師によると、コンタクトレンズがどれだけ酸素を通すかを示す「透過率」で、起床から就寝まで終日装用する場合に必要な数値は約24。しかし、安価なカラコンの中には透過率の低いHEMA素材を使用しているものもある。販売承認されたカラコンであっても、透過率が10程度と長時間の装用には向いていない製品もあるという。

さらに、「含水性が高く目にフィットしやすいソフトレンズの増加で、コンタクトレンズはフリーサイズだという誤解が増えている。しかし、カラコンには含水性が低いものもあり、処方なしに購入するとサイズが合わず、角膜に酸素が足りなくなることで、角膜浮腫などの眼障害につながりかねない」(近畿大学医学部の月山純子医師)。

あるコンタクトレンズメーカーの関係者は、「ここ最近カラコンの人気が高まっているが、適切な管理がないと人体に重大な影響を与える可能性のある高度管理医療機器だと知らないユーザーも多い。店舗では医師による処方箋が必要である旨を掲示物や対面の説明などで啓蒙しているが、インターネット販売などではそれが不十分なケースもあるのではないか」と語る。

また、インターネット上で販売されているカラコンの中には、海外製品の個人輸入代行という形で国内の販売承認を得ていない製品もあるという。「すべてのカラコンが悪いわけではないが、眼障害を防ぐためには眼科医による処方と定期的な検査、正しい使用法が必須」と、日本眼科啓発会議は呼びかけている。

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