脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

黄砂は有害物質も栄養分も運ぶ

2013年03月02日 | 化学物質

webR252013年2月21日(木)11:30 
中国大陸から来る黄砂の“光と影”
http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/r25-20130221-00028400.html

中国から飛来する大気汚染物質「PM2.5」が話題になっていますが、春を迎えるこれから気になるのが黄砂。ちょくちょくニュースにも登場し、耳に入る機会も増えてますよね。そこで黄砂とはそもそも何なのか、どうしてこの時期になると飛んでくるのか、国立環境研究所地域環境研究センター主任研究員の清水厚さんに伺いました。

(略)

黄砂が日本に飛来するピークは例年3~5月頃ですが、今シーズンの量は現時点(2月中旬)ではまだわからないそう。ところで、黄砂もPM2.5と同様に健康に害があるのでしょうか?

「黄砂は大気汚染物質と一緒に飛んでくることが多いので、以前は黄砂そのものの健康被害についてはよくわかっていませんでした。しかし、最近ではレーザー光線を使い、黄砂とその他の物質の濃度をそれぞれ分けて観測することができるようになってきました。黄砂の飛来する量が増えると、汚染物質と関係なくぜんそくの患者が通院する頻度が多くなるということなどがわかってきています」

ぜんそくなど呼吸器の疾患を持っている人は、黄砂予測を参考にして黄砂が多い日は外出を控えるといった対処が必要そうですね。

健康被害のほかにも建物や車を汚したり視界を悪くしたりと、その“害”ばかりが目立つ黄砂ですが、清水さんによると実はそれだけともいえないそう

「例えば酸性雨を中和します。黄砂はアルカリ性の土壌からもたらされるので、黄砂を含む雨水はpHが通常よりも高くなります。また、大洋の海水に栄養を供給する働きも。沿岸から遠い太平洋は貧栄養状態なのですが、黄砂が到達すると鉄分などミネラルをもたらして植物プランクトンを増やし、生態系を豊かにしているとみられています」

なるほど、やっかいものの黄砂ですが、実は意外な役割を担っていたのですね。黄砂の根本解決は難しそうですが、黄砂予報を活用するなどしてうまくつきあっていきたいものですね。

(長倉克枝)(R25編集部)