国民生活センター2011年8月10日
子どもが使用することのあるアクセサリーに関する調査結果
-カドミウム、鉛の溶出について(2011年)-
*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文(PDF)」をご覧下さい。
2010年1月、消費者庁の依頼により輸入品の子どもが身につける可能性のある金属部分を含むアクセサリーについて、カドミウムと鉛の溶出に関する調査を行ったところ、一部の商品から一定量を超える鉛の溶出が認められたため、2010年3月に公表し、消費者庁から消費者への注意喚起と、事業者団体に対して、金属製アクセサリーに含まれる鉛の低減に努める等の要請が行われた。
調査から1年が経過し、製品の安全確保に向けた各事業者の取り組み状況のフォローアップのため、消費者庁から再び国内に流通している子ども用金属製アクセサリーについて、カドミウム及び鉛の溶出量に関する調査の依頼があったため、市場に出回っている243銘柄について調査を実施した。
主なテスト結果等
カドミウムの溶出
国際標準化機構の玩具規格と、食品衛生法の「金属製のアクセサリーがん具」の鉛の溶出試験の方法を参考に調べたところ、243銘柄全てで、国際標準化機構の玩具規格を超えて溶出するものはなかった。
鉛の溶出
食品衛生法の「金属製のアクセサリーがん具」の方法で調べたところ、243銘柄中食品衛生法の対象外のものではあるが、10銘柄で一定量(90μg/g)を超える溶出が認められた。
誤飲等に関する注意表示
誤飲等に関する注意表示は全体の30.5%で認められた。
業界の意見 ※2011年9月9日 追加
「No.136の取り扱い事業者」より
鉛に関しては、4~5年前、特に量販店に卸していた時に検査を行い、その結果、韓国製のネックレスのTopが含有ありということで、売場から撤去しました。その後、韓国からの特にネックレスは、止めていっております。特に金属を使用しないものに徐々に変えていっており、過去の20%程度しか品揃えしておりませんが、今回の結果については、十分に受け止め、問題の発生を防ぎたいと思います。
「No.143の取り扱い事業者」より
平成18年3月にアメリカで鉛問題がでた時、日本でもかなり問題視され、我々メーカー、組合でも話し合われ対応策等を考えましたが、月日が経つにつれ考えが薄れてきた事を再確認しました。
今一度、考え、進めていかなければならない問題だと思いました。
「No.154の取り扱い事業者」より
弊社のアクセサリーを検査していただくことに異論ございません。商品テストは定期的に行っていただきたいと思います。
「No.192、195の取り扱い事業者」より
仕入先への確認と、ピアスなどの細かな商品に関しては樹脂製のものへの切り替えも考えていきます。
業界の対応 ※2011年9月9日 追加
「No.136の取り扱い事業者」より
以下の対応をして、問題の発生を防ぎたいと思います。
- (1)金属製のアクセサリーから、布糸などで作るアクセサリーへの変更をすすめていく。
- (2)消費者庁が依頼している消費者への注意喚起はすでに行っております。又、お子様づれのお客様に対し、お買上の際に、一言そえて注意POPを配布するようにいたします。
「No.143の取り扱い事業者」より
弊社の「PKコスモス土星Pe MIX」は、韓国商品で結果「+」になっておりますので、本日(8月5日)に韓国のエージェントに電話をして、基準値内で作れるかの問い合わせをして回答待ちです。
全ての商品に対して、なるべく早く注意表示を含め対応していきたいと思っております。
「No.154の取り扱い事業者」より
現在もアクセサリーへの鉛の含有率、溶解量を第三者試験機関で検査する事で把握に努め、生産者への鉛の低減を促し、また商品台紙に誤飲防止の内容記載、販売店への誤飲防止POPの掲示にご協力いただく事での取り組みを継続しています。ただ、輸入各国の商品全ての管理は本当に難しくまだまだ時間がかかることだと認識しております。今後の対策と致しましてはアクセサリーを誤飲しないように促す事は勿論、今まで行ってきた検査を継続していく事に努めていきます。
「No.192、195の取り扱い事業者」より
現在も誤飲に関する注意書きPOPは売場に貼り出しておりますが、さらに見やすく目立つPOPも新たに作成し、貼り変えます。
スタッフへの知識教育の再確認もあわせて行います。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110810_1.html